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リヒターのヘンデル「メサイア」

2008.10.06 - ヘンデル
handel

ヘンデル「メサイア」 リヒター指揮ロンドン・フィル ジョン・オールディズ合唱団、他


今日は焼豚を作った。
相変わらずの手抜きレシピを紹介。

豚のかたまりを醤油、砂糖、塩、みりん(うちでは「みりん風」、この違いは何ぞや)に漬ける。

yakibuta

フライパンで表面を強火で焼く。

yakibuta

180度のオーブンで20分焼く。
漬け汁を煮詰めたタレをかけてビールの共に。

yakibuta

締めのラーメンにおもむろに乗せる。

yakibuta

今回は漬け汁に半日漬けておいたが、一晩くらいやってもよかったかもしれない。オーブンの時間は難しいが、300g程度で20~25分が目安か。



リヒター2度目の「メサイア」は、一言で言ってしまうと剛直で大らか。極太の筆で描いた書を思わせる。
冒頭の「シンフォニー」の緊張感あふれる響きに圧倒され、引き込まれる。切り込みが鋭く、勢いのあるロンドン・フィルの弦が激しく強くきしむ。これから始まる物語は、ただごとならぬことを予感しないではいられない演奏だ。
立て続けにテノールで歌われる2つのアリアはすばらしい。スチュアート・バロウズ。澄んだ声を呼吸たっぷりに歌い上げている。ここまで聴いてしまうと、もう後には引けない。
「メサイア」においては、オケもソロも大事だけれど、合唱がとくに重い役割を担う。ジョン・オールディズ合唱団が期待を裏切らない出来だ。先日に聴いたシカゴ交響合唱団とはまた違う良さがある。
シカゴが緻密さで勝負しているとすれば、こちらは勢い重視だ。メロディーが最もよく流れるであろうテンポを的確に設定して、振り幅広く歌い上げている。「我々に御子が生まれた」の幸福感に満ちた快活さ、文字通り「ワンダフル」である。
バスは、ドナルド・マッキンタイア。彼の歌唱のバランスの良さは、「暗きを歩く人々は」を聴けば如実にわかる。鋼のように強靭な声であり、同時につややかさも兼ね備える。
ソプラノはヘレン・ドナート。レチタティーヴォ「天使が現れ」での、澄み切った可憐な歌声にメロメロである。
コントラルトの最大の見せ場は、「彼は侮られて人に捨てられ」。この演奏では13分弱かけていて、全曲中最も長大な曲である。このゆっくりとした神秘的な曲を、アンナ・レイノルズはじっくりと、噛んで含めるように丁寧に歌い上げている。
歌手は、4人ともオケ、合唱によくなじんでいる。選んだ人のセンスもいいのだろうが、みんな一体となって曲に取り組んでいることがわかる。
リヒターのやり方で特徴的なのは、全体を通して弦が主役として働いていることだ。この曲では木管やトランペット、チェンバロは見逃せない存在であるが、それらはこの演奏ではどちらかといえば脇のほうにいる。つねに、精力的な弦の響きがこの演奏の基調となっていて、雄弁に悲哀を醸し出しているのである。
1939年のC・F・ペータース版を使用。

1972年11月、ロンドンでの録音。

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Comment

無題 - yokochan

相変わらず、シンプルな中にも味わいある料理をされてますね。私は、焼かずに煮豚にしてしまいますが、ちょっと濃い味で歳にはこたえます。
やはり焼いたほうがジューシーでよさそうです。
ラーメンには自家製チャーシューですな!

リヒターのメサイア、私もロンドン盤ですが、なかなかいい組み合わせです。
独語旧盤も一度聴いてみたいと思ってます。
2008.10.08 Wed 12:53 URL [ Edit ]

Re:yokochanさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

最近は、シンプル(かつ手抜き料理?)がすっかり板についてしまいました。素材の味を生かす、といえば聞こえはいいですが、いつもスーパーの格安品で作っています。
ウチで作ったラーメンにチャーシューがつけると、少し豪華な気分を味わうことができますね!

リヒターのロンドンでのメサイア、評判に違わぬものでした。気合の入ったいい演奏だと思います。
ミュンヘン・バッハとのドイツ語版、それに加えアンドレのトランペットも聴いてみたいものです。
2008.10.08 21:09

無題 - rudolf2006

吉田さま こんにちは

記事を読み忘れておりました。
焼き豚、美味しそうですね
煮豚というのもやっておられたように記憶しているのですが〜。私の大学時代の友人の下宿で、煮豚だけをあてにして酒を飲んだのを思い出しています。今思えば、貧しかったです、爆〜。

リヒターの「メサイア」も良さそうですね〜。
ヘレン・ドナートさん、本当に可憐な歌声ですよね。この録音はまだ未聴ですが、他のオペラで色々と聴いています。マッキンタイアさんも、ヴァーグナーのオペラでいくつか聴いてきています。

ヘンデル「メサイア」は、ショルティ盤とオーマンディ盤しか持っていません。まだまだ聴きたい曲が多いです。それに、聴いてみたい演奏も多いですし〜。
人生の時間は決まっているようにも思いますし、困ってしまいます〜。

ミ(`w´彡)
2008.10.11 Sat 11:12 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。
焼き豚と煮豚、どちらもおいしいものですが、手がかかるのは焼き豚です。オーブンで焼くときの、時間の按配が難しいです。
その点、煮豚はただただ煮込めばいいわけで。
味はどちらも捨て難いです。

リヒターの「メサイア」、バランスがいいです。
歌手はみんなレベルが高くて、オーケストラと合唱の雰囲気というか匂いによく合っています。

>まだまだ聴きたい曲が多いです。それに、聴いてみたい演奏も多いです
し〜。

同感です。このところ、メサイアにハマっています。
2008.10.11 14:35
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