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"ニーチェの警鐘"、D・R・デイヴィス、ブルックナー5番

2015.06.04 - ブルックナー

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適菜収の「ニーチェの警鐘」を読む。

これは、ニーチェを引用しながら「キリスト教」及び「民主主義」を批判する本。

この本、amazonのレビューではボロクソに書かれている。確かに、批判そのものが短絡的であり、いささかあざといところがある。ニーチェという大船に乗った刃は切れ味がいい。
執筆当時は民主党政権であったようで、当時の総理を始め民主党の顔であったメンバーへの批判が痛烈。だがそのためにニーチェを持ち出すのはもったいないだろう。

最初に神を殺したのはニーチェではないという説はうなづける。「カラマーゾフの兄弟」のなかでも議論されているからだ。ニーチェは神を殺したというより、イエスより後世のキリスト教を批判したのである。

日本人の多くが属しているとする「B層」説なるものはどうでもよく、それよりも民主主義がだめなのであれば、やわやわでもよいから代案を出すべき。でないと議論にならぬ。






デニス・ラッセル・デイヴィスの指揮リンツ・ブルックナー管弦楽団の演奏で、ブルックナーの交響曲5番を聴く。

これは全体をおおづかみに把握し、ざっくりと太筆で描いたブルックナー。それでいてつねに透明感を湛えているところが今風のやりかたのようだ。テンポは中庸で、あざとさがないから安心して聴いていられる。そのいっぽう、新味はない。

この演奏と雰囲気が似ているのが、パーテルノストロがヴュルッテンベルク・フィルを振ったブルックナー。どこを叩いても揺るがない感じ。ただ、パーテルノストロのものはヴァインガルテン・バジリカという、まるで巨大な銭湯のような超長い残響のところで演奏しているから、面白さではパーテルノストロのほうに軍配があがる。オーケストラの技量は、リンツのほうがやや上とみる。

ライヴのせいか、ティンパニのロールが不安定。だからラストはイマイチ盛り上がらない。


2006年11月、リンツ、ブルックナーハウスでのライヴ録音。



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オペラ座。





在庫がなく、ご迷惑をおかけします。
6月上旬に重版できる予定です。




「ぶらあぼ」4月号に掲載されました!











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