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コヴァセヴィッチ、ブラームス"ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ"

2017.05.24 - ブラームス

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スティーヴン・コヴァセヴィッチのピアノで、ブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」を聴く(1969年の録音)。

これはとても華やかな演奏。同じCDにカップリングされている1番の協奏曲と口当たりが似ている。録音年代はけっこう違うのだけれど、彼のスタイルというものがすでに(このヘンデル・ヴァリエーションの録音時、20歳代後半)確立されていたのかもしれない。

音符は物理的にはひとつひとつ独立したものだと思う。ハーモニーは別とすれば、メロディーやリズムの打鍵は、音符がそれぞれ単独で聴こえるほうが気持ちがいい。
この演奏は、それを兼ね備えたもの。いっこの音符が明瞭に、はっきりと聴き取れる。マッシヴな音も割れない。重量感たっぷりで、クッキリと冴えた音が鳴り響く。
各変奏は表情豊かで、ノーブルな雰囲気を兼ね備えている。
最後の変奏とフーガは、高い技量を駆使して、スケール大きく弾き切っている。

この曲の、多くの名演奏のひとつ。










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パースのビッグムーン。










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Comment

”ビショップ”の頃の演奏ですね - yoshimi

こんにちは。

コヴァセヴィチの録音を集めていた時期があったので、ブラームスとベートーヴェンはほとんど聴きました。
”ビショップ”時代は響きがクリアなのですが、”コヴァセヴィチ”に変えてから、段々残響が多くなっていくので、混濁感を感じることがあります。(特にEMI録音)

1968年に録音したヘンデルヴァリエーションは、タッチが丁寧で情感も繊細なので、優美な愛らしさがあって、とても素敵な演奏です。彼の録音のなかでこれが一番好きですね。
コヴァセヴィッチ自身は、Philips時代のブラームス録音のなかでは、ピアノ協奏曲第2番がベストと言っていたという記憶があります。
2017.05.26 Fri 12:11 URL [ Edit ]

スティーヴン・ビショップですね♪ - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんにちは。

ブラームスとベートーヴェンをほとんどですか、すごいですね。話によると、ディアベリがなかなかいいということでしたので、聴いてみたいと思っています。
EMIの録音って、わりとボヤけているものが多いですよね。ピアノもそうだし、オーケストラにもそう感じます。
このヘンデルヴァリエーションは、おっしゃるように、繊細で優美でもありますね。とてもいい演奏だと思います♪
2017.05.26 18:09

ディアベリも素敵です - yoshimi

こんにちは。

コヴァセヴィチのディアベリは2種類あるのですが、評判が良いと言われているのは、1968年のPhilips盤のことですね?
こちらもヘンデルヴァリエーションと同じ時期に録音していますので、ピアニズムは同じです。
軽やかで表情豊で細やかな情感を感じさせる愛らしいディアベリです。Philips時代のベートーヴェンも好きなので、こちらもお勧めです。

ノイズが多少入っていますが、Philips盤のディアベリ音源です。
https://www.youtube.com/watch?v=wnWdaBHoEhE&t=23s

ONXY盤(2008年録音)のディアベリは、Philips盤とは別人みたいなタッチで、勢いが良くて迫力も臨場感もあるのですが、タッチが強すぎて(少し粗っぽい...)、豪快でちょっと大味なところがあります。
これはこれで面白いのですが、CDではなくて、ライブで聴いた方が良いタイプの演奏のように感じます。(EMI盤のベートーヴェン録音も同じ印象です)

父親の姓のコヴァセヴィチに戻してから、”生まれ変わった気持ちで演奏に臨んでいる”とインタビューで言っていましたが、気持ちと一緒にピアニズムも生まれ変わってしまったのだと思いました。
2017.05.27 Sat 13:23 URL [ Edit ]

ありがとうございます。 - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんにちは。

コヴァセヴィチのディアベリは2種類あるのですね。たしか、Philips盤とききました。
youtubeがあるのですね。これは聴いてみなきゃ。ご紹介、ありがとうございます♪

2008年録音というと比較的最近ですね、このピアニストをあまり意識していなかったので、昔の人かと思いこんでいました(年齢はまだ若いのに。。)
ピアニズムが変わったのですね。そういった変遷を追うのも、面白いかもしれませんね。
2017.05.27 14:56
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