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セルのR・シュトラウス「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」

2007.11.24 - R・シュトラウス
szell

R・シュトラウス 「死と変容」、「ティルオイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」、「ドン・キホーテ」  セル指揮クリーヴランド管弦楽団


佐藤雅彦、竹中平蔵の「経済ってそういうことだったのか会議」を読了。途中ほっぽらかしにしていたので半年くらいかかってしまった。
面白かったのは起業の章。
湖池屋の会長が、戦後にとりあえず生計をたてなくちゃいけないってことで選んだ商売が、ポテトチップス。
アメリカの兵隊が食べているポテトチップスを食べてすごくおいしかったので、それじゃあ作ってみようということで、自分でじゃがいもを切って、奥さんと一緒に揚げて、それをリヤカー引きながら売ったのが最初だったという。
お金を儲けることよりも、「生活が豊かになる、楽しくなるものを作りたい」という夢がまず先にあるべきなのだな。面白そうだし、かっこいい。


セルのR・シュトラウスは、録音のよさもあって、色彩が鮮やかでふくらみのある音楽だ。
クリーヴランドのアンサンブルがカチっとまとまっているので全体的なフォルムは筋肉質ではあるが、とくに管楽器の色合いは多彩だ。危なげのない技巧に加え、やや遊びのはいった節回しが楽しいし、それでいてふっくらとした質感がある。
R・シュトラウスの管弦楽曲をあまり好んで聴くわけではなくて、特に彼の若い頃の作品からは、才能に溺れたところを感じて、ついてゆけないところがあるのだ。ようは、好みの問題である。
それでも、このセルのように技術に特化した、いさぎのよい演奏ならば聴いていて楽しい。簡潔に書き上げられた楷書体。その中から滲み出る、ほんの少しの甘みと苦味。
同じクリーヴランド管を振った演奏では、やはり筋肉質のマゼール盤があるが、これともだいぶ違っている。マゼールは全てのパートを均等にしたような整然さがあって、ときどき大きなルバートをかけたりする遊びはあるものの、全体の響きは平面的といえる。
この曲においては、セルのほうが一枚も二枚も上である。
録音は1957年だが、古さを感じない。
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