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ムーティのR・コルサコフ「シェエラザード」

2010.07.24 - R・コルサコフ
  
rk

リッカルド・ムーティ指揮 フィラデルフィア管弦楽団


湊かなえの「告白」を読む。
女性教師の娘の死をめぐる学園ミステリー。日本のミステリーにしてはページに文字がギッシリ詰まっているので読みでがあるかと思ったが、登場人物が少ないのでわかりやすいせいなのか、一気に読ませられた。
まだ映画は観ていないが、松たか子と木村佳乃が出演していることを知っていたので、彼女たちの顔を思い浮かべながら読むハメになった。
それにしても、この小説に出てくる女性は、みんなしたたかでコワイ。男は大マヌケ。


ムーティの「シェエラザード」といえば、発売当初のレコ芸の広告を思い出す。キャッチ・コピーは確か「音の豪華なゴブラン織り」。なかなかのインパクト。なんだかよくわからないが、聴いてみたくなる。「ゴブラン」とは何を意味するものか知らなかったのに。もっとも、いまもよくわからないが、とにかくゴブラン織りとやらを聴いてみましょう。

まず、オーケストラの闊達さ。金管、木管、弦、そしてソロ、みなじつに雄弁である。鳴るべきところはきっちり鳴っていて、グウの音も出ない。弦楽器はゴリゴリいっているし、金管は華やかで厚い。ソロでは、要所で素早い動きを見せるクラリネットが光る。軽やかにして柔らかい名人芸。
全体的に鋭角的なスタイルであり、録音もいくぶん尖った感じがする。
ひとつ惜しいのは、小太鼓。メタリックないい音を出しているものの、ひとつひとつの音が粒立っていない。滝のように流れる線の音だ。できれば打鍵が一粒づつ鳴ってほしかった。これは好みの問題。
ソロ・ヴァイオリンはノーマン・キャロル。切っ先鋭いつややかなヴァイオリンが、ムーティの都会的に洗練された演奏に華を添えている。

1982年2月、フィラデルフィア、オールド・メットでの録音。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます〜

いつも吉田さんが読まれている本、チェックしています。この小説も面白そうなので、アマゾンに注文しました。読むのが楽しみですね〜。
女性はいつも強かですね〜 爆〜

ムーティの「シェエラザード」持っているはずだと思って、ムーティのCDが入っている箱を探しまくりました、爆〜。ありました〜。
最近、ムーティ時代のフィラデルフィアのベトベンを聴いたのですが、やはり上手いですね〜。この「シェエラザード」のようなソロが活躍する曲は、フィラデルフィアにはピッタリの曲ですね〜。

ムーティの演奏はいかがですか?
今朝聴こうかと思いながら、聴けませんでした、爆〜
どうも、マゼールもムーティも、演奏自体は面白いし、良いなと思うのですが、全体像がつかめません、まぁそれでも良いのですが〜
吉田さんのご意見を伺いたいものです〜

ミ(`w´彡)
2010.07.27 Tue 10:21 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

「告白」、面白かったです。
1ページあたりの文字数はかなり多いと思うのですが、一気に読むことができます。面白いものの、ちょっとテーマが暗いので、少し落ち込みました…。

ムーティのシェエラザード、素晴らしいです。
フィラ管の妙技は健在ですね。
ムーティのよいところ。どこかと言われると、うまく言えないかもしれません。メロディーを思う存分抑揚をつけつつも、全体の見晴らしというか、全曲を俯瞰的につかんでまとめるのがうまい指揮者ではないかと思うのです。
つぎは(改めて)「幻想」を聴いてみます。
2010.07.28 22:37
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