クァルテット・エクセルシオのコンサートに足を運びました(2017年11月12日、上野、東京文化会館小ホールにて)。
ハイドン 弦楽四重奏曲41番
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲4番
シューベルト 弦楽四重奏曲13番「ロザムンデ」
この団体は日本では珍しい常設の四重奏団。聴くのは昨年に続いて2度目です。とくにベートーヴェンの4番は好きな曲なので、楽しみにしていました。
果たして、昨年のベートーヴェン・チクルスよりも、さらに進化した演奏を聴かせてくれました。
最初はハイドン。副題は「How Do You Do?」。いたって明朗な音楽です。折り目正しいなかに温かなユーモアがにじみ出ているところは、いかにもハイドン。
全体を通して、第一ヴァイオリンが主導します。引き締まっていて、瑞々しいヴァイオリンが耳に心地よかった。
バートーヴェンは、みずみずしい若さの迸りと、厳かなパッションとがうまく融合した作品。
このコンサートの中核と言うべき演目です。ここでの彼女らの弾きぶりは、気迫がこもっていました。それに加えて、情感豊かであり胸を打ちました。ベートーヴェンの時代になると、第一ヴァイオリンだけでなく、第二、ヴィオラ、チェロがときに前面に出てきます。この3名の技術的な闊達さと気合は、多くの市販のCDの演奏に劣るものではありませんでした。
シューベルトのこの曲は、いわゆる後期三大四重奏曲のひとつ。全体はおもに短調で占められますが、ところどころ希望の光が点灯します。それはいっとき甘いものですが、長続きはしません。それが、いつも私の胸を深く抉ります。
前の2曲に比べると、極度にロマンティックな音楽です。もちろん、それが悪いわけはありません。ヴァイオリンはときどきポルタメントをきかせて、時空を超えた情感を伝えてくれます。チェロのおおらかなフレーズの豊かさ、これはこのコンサート全体を通して、持続して伝わりました。4つの楽器の軸となる、存在であったと感じました。
西野ゆか(1Vn)
山田百子(2Vn)
大友肇(Vc)
吉田有紀子(Va)
パースのビッグムーン。
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