アルバネーゼのヴィオレッタ、トスカニーニ指揮NBC交響楽団・他の演奏で、ヴェルディの「ラ・トラヴィアータ」を聴きました(1946年12月、NBCスタジオでのライヴ録音)。
全体を通して、歌手の声が古めかしいところが気になるものの、トスカニーニのオーケストラが素晴らしいため、一気に聴き通せてしまいます。
音は生々しく、活気に満ち満ちており、躍動感たっぷり。C・クライバーの演奏と軽く比較してみましたが、クライバーは繊細、トスカニーニは剛直で熱いと感じました。
メリルのジェルモンは、声がふくよかで、粘りがある。世間体を気にする市民でありつつも、根は優しい初老をうまく歌いあげています。「プロヴァンスの海と陸」はしっかりと甘い。
アルバネーゼは独特の鼻にかかった声でもって、色っぽい歌を聴かせます。好みではありませんが、雰囲気がいいです。ちなみに、「花から花へ」の最後の高音は出していません。ライヴだからでしょうか。
ピアースのアルフレードは、アルバネーゼと同様、あたかも戦前の映画を観ているような錯覚に陥ります。懐かしい反面、古色蒼然としている感じ。器楽曲ならば、かなり古い演奏を聴いてもすんなり受け入れることができるのに。不思議です。
合唱は緻密で素晴らしい。
リチア・アルバネーゼ (ソプラノ)
ヤン・ピアース(テノール)、
ロバート・メリル(バリトン)
アーサー・ニューマン(バス)
マキシン・ステルマン(メゾ・ソプラノ)
ジョージ・チェハノフスキー(バリトン)、他
NBC合唱団
パースのビッグムーン。
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