ゲオルギューのヴィオレッタ、ショルティ指揮コヴェントガーデン・オペラ他による、ヴェルディ「ラ・トラヴィアータ」を視聴しました(1994年12月 コヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラでのライヴ録音)。
この演奏、以前にCDでは聴きました。こうして舞台を観ると、当たり前のことながら感興がまた違います。
ゲオルギューの容姿と演技の素晴らしさを味わえるのが、その魅力のひとつ。豊かな黒髪で妖艶なお顔、スラリとしたスタイルは、いかにも高級娼婦のイメージであり、しっくりきます。歌はグラマラス。艶やかな演技と相俟って、ラストは涙を禁じえません。
ヌッチは、歌手陣のなかで最高で出来栄えかと。恰幅がよくて、重厚で、ふくよかさがあります。それでいて、世間体を気にする小心者という雰囲気をも醸し出していて、味がある。
ロパードは柔らかな甘い歌声。技巧もしっかりしています。
マリアン・ジョーンズは美人。目を楽しませてくれました。
このDVDではショルティの姿もたびたび観ることができます。風格たっぷりで、折り目の正しい指揮姿を堪能しました。
エアの演出は、オーソドックス。円形に設定された舞台がコンパクトであるがゆえに、演技者を集中して観ることができました。
ヴィオレッタ…アンジェラ・ゲオルギュー(ソプラノ)
アルフレード…フランク・ロパード(テノール)
ジェルモン…レオ・ヌッチ(バリトン)
フローラ…リー=マリアン・ジョーンズ(メゾ・ソプラノ)
アンニーナ…ジリアン・ジョーンズ(メッゾ・ソプラノ)、他
コヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団・合唱団
演出…リチャード・エア
パースのビッグムーン。
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