苫米地英人の「思考ノート術」を読む。
「過去の自分を決めているのは現在の自分です。過去は現在の解釈によっていかようにでも書き換えられるということです。ならば、現在の自分を解釈するのは、未来の自分です。」
著者は、時間は未来から過去に向かって流れていくという。最初にきいたときはピンとこなかったが、上の引用を読んで腑に落ちた。
この感覚を持っていないと、いつも過去にとらわれた思考しかできなくなる。なるほど。
本書は、この考えに基づいて、目標達成のためのノートの作り方を指南している。目標は実現できないような壮大なものであり、かつ抽象的なものが望ましい。その目標から遡って、現在の自分はどう振る舞うべきか、ということを規定するわけ。
ノートを作るかどうかは別として、上記の時間の流れの解釈は、新鮮に感じた。
ショルティ指揮コヴェント・ガーデン王立歌劇場の演奏で、ヴェルディの「ラ・トラヴィアータ」を聴く(1994年12月、コヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラ・ハウスでのライヴ録音)。
同じソースが映像化もされており、DVDを持っているのだが、そちらは未視聴。自室にはテレビがないし、チャンネル権もないので、映像モノはなかなか観られない。
ショルティ晩年の記録であり、角がすっかり取れている。目隠しで聴いたら、ショルティが振っているとはわからないだろう。相変わらず歌手にぴったりと寄り添っているし、覇気のある演奏だとは思うが、彼が若い頃の鋭角的なアプローチを求めると、肩透かしをくらう。懐かしいかな、60年代。
なので、この演奏の聴きどころはゲオルギュー。とくにミスはないし、まとまりのいいヴィオレッタ。高い声もソツなくこなし、器用な歌い手であるように感じる。
ただ、カラスやストラータスのように、ここぞという場面での迫真力には、今ひとつ欠けるかも。そのあたり、ヴィジュアルがあれば、感触は異なるのだろう。
ヌッチは手厚い歌唱を聴かせる。ロパードは無難。そこも、映像を観れば、また違う印象になるかもしれない。
アンジェラ・ゲオルギュー(ソプラノ)
フランク・ロパード(テノール)
レオ・ヌッチ(バリトン)
リー=マリアン・ジョーンズ(メゾ・ソプラノ)
ジリアン・ナイト(メゾ・ソプラノ)、他
コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団
春。
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