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カッチェン、ブラームス"小品集Op.119"

2016.05.17 - ブラームス

ma



カッチェンのピアノで、ブラームスの小品集Op.119を聴く(1962年~1965年、ロンドン、デッカ第3スタジオでの録音)。

ブラームスが最後に書いた一連のピアノ小品集、作品117から119はまるで三つ子のよう。
夜の帳が下りた後、静まった深夜の都会に、深いため息のような輝きを放つ。

この119は、彼が最後に書いたピアノ作品と言われている。
カッチェンのピアノは、自然なアゴーギクを用いつつ、ロマンティックな雰囲気を惜しみなく醸し出している。

1曲目は間奏曲、アダージョ。点描画のような響きはあたかも、澄み切った冬の星。
2曲目は間奏曲、アンダンティーノ。いらだち、あせり、憤り、つかの間の休息、生きる手応え。
3曲目は間奏曲、グラツィオーソ。期待とほんの少しの不安に、ざわざわする気持ち。
4曲目はラプソディー、アレグロ。勇ましく、気高い。怖いものはない。中間部は、サロン音楽のように甘く煌びやか。





ma
 
春。






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Comment

クリスタルな輝き - yoshimi

こんにちは。
Op.119のなかでは、No.1が一番好きですが、普通はもっと遅いテンポで鬱々として重苦しく弾く人が多いですね。
カッチェンのテンポはかなり速くてタッチが軽やかで、小刻みなルバートがたっぷり入っていても、「澄み切った冬の星」のように、クリスタルなクールな煌きと瑞々しさを感じます。
カッチェンの小品集のなかでは、最も繊細で美しく響く演奏かもしれません。
2016.05.19 Thu 12:41 URL [ Edit ]

軽やかで玲瓏。 - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんにちは。
119の他の演奏を覚えていないのですが、カッチェンは速いのですね。
これに慣れてしまうと、他のが遅く感じてしまいそうです。図書館にアファナシエフのCDを見つけたのですが、まだ怖くて聴けていません。笑
おいおい、2つのラプソディーも聴いていきたいと思います。

追伸:
ディスクユニオンで、レーゼルの「ハンマークラヴィーア」と「ヘンデル・ヴァリエーション」他の2枚を入手しました。こちらも近々、聴きます!
2016.05.19 17:17
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