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アホの壁、アーヨ、四季

2011.04.09 - ヴィヴァルディ

vi

フェリックス・アーヨ(Vn) イ・ムヂチ合奏団


筒井康隆の「アホの壁」を読む。著者自ら、「バカの壁」の「二匹目の泥鰌を狙うアホ」と言っている。確信犯である。
同じようなベストセラー書の題名のパクりものは少なくないが、とくに「国家の品格」の二匹目狙いはすごいらしい。「女性の品格」は300万のヒットとなり、一匹目を超えたが、その後続が百数十冊を数えたという。
「会社員の品格」、「教師の品格」、「父親の品格」。このあたりはまあまあ、それなりのものがあるかもしれない期待がある。「薄毛の品格」、「腐女子の品格」、「月イチゴルフの品格」あたりになると、なんでもアリという感じ。
「品格もへったくれもあったものではない」と著者は言うが、このエッセイについては、一匹目を超えることができたとは言い難いかな。


アーヨによる懐かしい「四季」。
「春」の冒頭から、たっぷりとレガートを利かせていて、ロマンの香りが濃く漂う。弦楽器の艶のある音がひたすら美しい。「冬」の2楽章のピチカートが、まるで粉雪のように軽やかところは印象に残る。全体にチェンバロがかなり控えめに奏されていることが、この演奏のひとつのキモじゃないかと感じた。
この演奏を初めて聴いた頃からすでに「四季」のレコードは星の数ほどあったから、どんな演奏があるのか全容を把握できないし、これからもできない。乏しい記憶によれば、アーノンクールの演奏あたりから、ビートをきつくしたり、装飾音を多用した演奏が多くなってきていったように思う。現在は古楽器を用いたものが一般的なのかもしれない。
そんな中、イ・ムヂチによる演奏はひと昔、あるいはふた昔のスタイルということになるかもしれないが、どれも古びた感じはしないし、聴いていてなんだかホッとする。特にアーヨのものは甘い雰囲気があっていいネ。

1959年5月、ウイーンでの録音
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