カラヤン指揮ベルリン・フィル他の演奏で、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」を聴きました(1971年12月、1972年1月、ベルリン、イエス・キリスト教会での録音)。
これは、先日に聴いたグッドールほどではないけれど、ゆったりとしたテンポで朗々と歌ったワーグナーだと思います。前奏曲からして、ボリュームたっぷり。
歌手ではデルネシュの、厚みがあって奥行きのある歌いぶりを気に入りました。色香もある。飛び抜けた美声ではないものの、印象に残りそう。
ルートヴィヒはとてもふくよか。恰幅がいいし、深みもある。いいブランゲーネではないかと。
落ち着きのあるベリーと、艶のあるリーダーブッシュの歌は安定しているように感じます。
シュライアーは少ししか出ないけど、瑞々しい声を聴かせてくれて嬉しい。
ヴィッカーズは起伏豊かで聴きごたえがあるものの、ときおり叫ぶような声はヒステリックであり、やや違和感を感じます。
それにしてもこの録音、ベルリン・フィルにしては腰の高い音だと感じます。ときおり、キンキンしてもいる。
高音質CD、あるいはレコードだと違うように聴こえるのかな。
ジョン・ヴィッカーズ(トリスタン)
ヘルガ・デルネシュ(イゾルデ)
クリスタ・ルートヴィヒ(ブランゲーネ)
ヴァルター・ベリー(クルヴェナール)
カール・リッダーブッシュ(マルケ王)
ペーター・シュライアー(牧童、若い水夫)、他
ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
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