モーツァルト 交響曲第38,39番 レヴァイン指揮ウイーン・フィル1楽章の提示部と展開部を反復していることで、テンポは遅くないのに全曲で36分を超える演奏時間となっている。
実際に聴いてみると、長大さを感じる暇はなくあっという間に終わってしまう。2,3時間続けて欲しいと思うくらいだ。
この演奏においてはウイーン・フィルの音色に鄙びた味わいは少ない。むしろアメリカのオケのようにソツなく洗練されている。これはレヴァインの直線的な指揮によるところが大きいのじゃないかと思う。
テンポの恣意的な変化はみられず、きっちりした合奏力でもってがっちりと明快な造形をつくっている。
こってりとした厚い響きはウイーン・フィルならではだろう。木管や弦の響きがまろやかでおいしい。
バロックから古典にかけての音楽は、古楽器による演奏が主流になってきたので、レヴァインがウイーン・フィルを指揮したモーツァルトの演奏は、今ではちょっと影が薄くなってきたかもしれない。
でもこの「プラハ」は何度聴いても飽きがこない。トータルでレベルの高く、永く聴いてゆきたい演奏。
1986年12月、ウイーン楽友協会大ホールでの録音。

宮島の「あなご飯」。
関東のあなごは蒸して柔らかく調理されていることが多いが、こちらのはパリっとしていて香ばしい。
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