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クイケンのモーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」

2009.07.18 - モーツァルト

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モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」 クイケン指揮ラ・プティット・バンド


日垣隆の「いい加減にしろよ(笑)」を読む。
細木数子や平山郁夫から、警察、NPO、少年法などの鑑定。実体験や数字を用いて具体的に書かれているので、普段全く気にしなかった事柄であっても問題点がわかりやすい。
ことに三宅島についての考察は興味深い。著者は朝起きて突然思い立ち三宅島に赴く。時に2005年、避難規制は解除されており誰でも島に入ることができる。そこにはなにがあるのか。
「三宅島には四年半前も今も、二酸化硫黄と硫酸が降り注ぎ続けている。硫酸が島中に降り注ぎ、建物や車や自動販売機はどうなったか。車も、自販機も、硫酸で文字通り溶けてしまっています。ときどき、そのような場所に遭遇するのではありません。あたり一帯が、そうなのです」。
三宅島観光協会のサイトによれば、ガスマスクの常時携帯が2009年の今も義務付けられている。
島に帰りたいという心情と自然の険しさ。それを政治が捌く難しさ。


クイケンの「コジ」を聴くのは久しぶり。
現在はブリリアントから再発売されているが、私が購入したときもそうとうな廉価であったと記憶している。もしかしたら今よりも安かったかもしれない。
安かったからではないが、1度聴いたきりで放置状態であった。当時はあまりピンとこなかったらしい。
最近になってまた聴きたくなり、IPODにぶち込んで毎日聴いている。これはライヴ録音なのだが、いわゆるライヴ臭が皆無で、なにも言われなかったらスタジオ録音だと思い込んでいただろう。聴衆のノイズや拍手がないうえに、声楽、オケともども技術にスキがないのだ。すごく精度が高い。
またこの演奏は古楽器によるものであるが、古楽器特有のアクが少なく、響きの自然な広がりはモダン楽器に引けをとらないように感じる。
テンポは急がず緩まずほどよい塩梅。
歌手陣はみな安定している。これだけソロ歌手がそろえば、強烈な歌い方や声を発するヒトがひとりくらいいてもよさそうであるが、みんな中庸を貫いている。バランス感のよさではこれ以上の演奏は難しいのじゃないだろうか。
逆に、あまりに揃っているので、ちょっと人工的に聴こえるところはあるかも。


ソイレ・イソコスキ(フィオルディリージ)
モニカ・グロープ(ドラベッラ)
ナンシー・アージェンタ(デスピーナ)
マルクス・シェーファー(フェランド)
ヒューブ・クレーサンス(ドン・アルフォンゾ)
ペール・フォレスタット(グリエルモ)
ラ・プティット・バンド&合唱団
シギスヴァルト・クイケン(指揮)

1992年10月7日、ブダペスト、リスト音楽院でのライヴ録音。

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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます〜

ご紹介の本、面白そうですね〜
三宅島の現在、過去、すでにもう報道すらされなくなっていますね〜。定点観測をする必要があるかのように思います。沖縄の問題でも、ある特定の日に報道されるだけなのが、哀しいですね。沖縄で「沖縄タイムズ」新聞を久し振りで読みました。沖縄に特化した新聞ですが、こういう良心的な編集に、若干の感動を覚えました。

クイケン盤の「コジ」私も持っています。
ライブとは思えないほどの完成度、凄いと思うのです。モダンの楽器と遜色のない演奏、歌手も素晴らしいのですが、何か欠けているものがあるようにも感じるのです。ベーム盤にあって、クイケン盤にないものがあるような気がします〜。

ミ(`w´彡)
2009.07.19 Sun 07:46 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006 さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

いつもコメントをありがとうございます。

新聞やテレビで報道されなくなったので、もう通常に戻ったのかと思い込んでいましたが、実情は問題が大アリだそうです。有毒ガスが島を充満していているにも関わらず、新市長が島民の帰還を公約に掲げていたので避難解除をしたとの経緯があるとのことです。

クイケンの「コジ」はrudolf2006のレビューを読んで聴こうと思ったのですよ。
通勤や散歩がてらにほぼ毎日聴いていますが、飽きません。

>ベーム盤にあって、クイケン盤にないものがあるような気がします〜。
なにかありそうですね。
2009.07.20 11:39
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