ラルキブデッリ&スミソニアン・チェンバー・プレイヤーズ/メンデルスゾーン八重奏曲、他メンデルスゾーンの弦楽八重奏曲は、16歳の頃に書かれた作品である。とはいえ、すでに彼は習作といわれている12の室内交響曲と、作品番号11の交響曲第1番を作曲した後のことであるので、技法的にはかなり習熟したものであるし、事実、初期の名作の誉れが高い。クラシック音楽界には早熟な音楽家はたくさんいるので、もう驚かないが、しみじみ考えるとこれはヤハリ凄いことである。
自分のジンセイの歩みと照らし合わせると、あまりの違いに愕然となりそうだが、そこらへんは、さすがに慣れた。
ちなみにその頃私が何をしていたかといえば、1時限目の休み時間に弁当を食っていた、ぐらいなものだろうか。貧困な思い出である。
気を取り直して、メンデルスゾーンの若き日の名作で心を躍らせることにする。
勝手にメンデルスゾーンの日
メンデルスゾーンの曲は、どれも品がいい。貧乏臭いところがちっともないのは、育ちの良さのせいなのだろうか。
この時代の作曲家は天才肌のヒトが多いせいもあって、アクの強い人が多いのだが、彼の音楽はスマートでソツがない。そのソツのないところがいまひとつ物足りないと思うこともあるが、最近は彼のそういった芸風に畏敬の念を感じるようになった。
この曲も素晴らしい。CDだと弦楽四重奏が2団体で演奏することが多いようだ。弦楽四重奏の2倍のボリューム。室内楽というジャンルに括れるギリギリの線だろう。私が特に好きなのはスケルツォ。
繊細にして艶やかな音の糸が紡ぎだす見事な織物のようであり、何度聴いても飽きることのない魅力がある。
ラルキブデッリの演奏はノン・ヴィブラートによるもので、伸びのある音色が心地よい。
ここで使用されている弦楽器は、ワシントンのスミソニアン博物館所有のストラディバリウスということであるが、そういうことをうたい文句にしなくても、充分勝負できる内容の演奏ではないだろうか。無料メルマガ『究極の娯楽 -古典音楽の毒と薬-』 読者登録フォーム
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ラルキブデッリ、ご存知でしたか。私はこのCDで始めて知りました。ノン・ヴィブラート奏法によるものはあまり得意でないのですが、これはとても新鮮で面白いものでした。
解説書を読むとですね、えーと、「(この団体は)シューベルト以降のロマン派に光を当てようと考えている」ようだと、解説者が言っておりますね。まあ、先のことはわからないでしょうけれどもね。
ゲーゼの八重奏曲の、第1楽章の旋律がバッハのブランデブルク協奏曲第6番に似ている気がしました。意識していたのかどうか定かでありませんが、うまく引用したなあという感じです。北欧の作曲家独特の雰囲気があって、いい曲です。
ラルキブデッリはモーツァルトもあるのですか。よさそうですね。