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ラルキブデッリのメンデルスゾーン「八重奏曲」

2007.02.01 - メンデルスゾーン
ラルキブデッリ

ラルキブデッリ&スミソニアン・チェンバー・プレイヤーズ/メンデルスゾーン八重奏曲、他


メンデルスゾーンの弦楽八重奏曲は、16歳の頃に書かれた作品である。とはいえ、すでに彼は習作といわれている12の室内交響曲と、作品番号11の交響曲第1番を作曲した後のことであるので、技法的にはかなり習熟したものであるし、事実、初期の名作の誉れが高い。クラシック音楽界には早熟な音楽家はたくさんいるので、もう驚かないが、しみじみ考えるとこれはヤハリ凄いことである。
自分のジンセイの歩みと照らし合わせると、あまりの違いに愕然となりそうだが、そこらへんは、さすがに慣れた。
ちなみにその頃私が何をしていたかといえば、1時限目の休み時間に弁当を食っていた、ぐらいなものだろうか。貧困な思い出である。
気を取り直して、メンデルスゾーンの若き日の名作で心を躍らせることにする。


勝手にメンデルスゾーンの日


メンデルスゾーンの曲は、どれも品がいい。貧乏臭いところがちっともないのは、育ちの良さのせいなのだろうか。
この時代の作曲家は天才肌のヒトが多いせいもあって、アクの強い人が多いのだが、彼の音楽はスマートでソツがない。そのソツのないところがいまひとつ物足りないと思うこともあるが、最近は彼のそういった芸風に畏敬の念を感じるようになった。
この曲も素晴らしい。CDだと弦楽四重奏が2団体で演奏することが多いようだ。弦楽四重奏の2倍のボリューム。室内楽というジャンルに括れるギリギリの線だろう。私が特に好きなのはスケルツォ。
繊細にして艶やかな音の糸が紡ぎだす見事な織物のようであり、何度聴いても飽きることのない魅力がある。
ラルキブデッリの演奏はノン・ヴィブラートによるもので、伸びのある音色が心地よい。
ここで使用されている弦楽器は、ワシントンのスミソニアン博物館所有のストラディバリウスということであるが、そういうことをうたい文句にしなくても、充分勝負できる内容の演奏ではないだろうか。






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Comment

無題 - miwaplan

こんにちは。御参加、ありがとうございます。

わおぅ、この曲、大好きです(*^。^*)
どなたかが書かれるとは予想してました。

シュポアだったかな、同種の曲がありますよね。
それと、どちらが先の作曲だったのか?
どちらかが「真似っこ」したようでもあるし。

そうそう、アシュケナージが指揮した、弦楽合奏による演奏もありました。
編成が大きくなってる分、ちょっと動きが鈍い個所もあったりして。でも、それも面白いです。

次回は2月16日「歌劇場のオケ」です。
ご縁がありましたら、また、どうぞ<m(__)m>
2007.02.01 Thu 23:57 URL [ Edit ]

Re:miwaplanさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

TBありがとうございます。
この曲、いいですよね。楽しいメロディのてんこ盛りです。
>どなたかが書かれるとは予想してました。
数日前から決めていました。
>シュポアだったかな、同種の曲がありますよね。
>それと、どちらが先の作曲だったのか?
今ちょっと調べましたが、ハッキリしません(泣)。気になるので後日調べてみますね。

次回は歌劇場のオケですか、またこっそり遊びに行くかも知れません。
2007.02.02 00:20

無題 - しじみ

こんばんは。
ラルキブデッリ、いいですねー。私もブルックナーの室内楽を愛聴しています。メンデルスゾーンもよさそうですね。ちなみにラルキブデッリのバッハを探しましたが、よさそうなのはなかったです。ロマン派以降が主なレパートリーなのでしょうか?
2007.02.02 Fri 00:00 URL [ Edit ]

Re:しじみさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

ラルキブデッリ、ご存知でしたか。私はこのCDで始めて知りました。ノン・ヴィブラート奏法によるものはあまり得意でないのですが、これはとても新鮮で面白いものでした。
解説書を読むとですね、えーと、「(この団体は)シューベルト以降のロマン派に光を当てようと考えている」ようだと、解説者が言っておりますね。まあ、先のことはわからないでしょうけれどもね。
2007.02.02 00:17

無題 - ダンベルドア

こんばんは。
この曲。いいですよね。ラルキブデッリのガット弦の音もぴったりです。
私は8重奏曲を含め、室内楽全集にしました
2007.02.02 Fri 00:04 URL [ Edit ]

Re:ダンベルドアさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

この曲いいです。
「ラルキブデッリのガット弦の音もぴったりです」
なるほど、そういう専門家の方の意見が聴きたかった!
聴いてみて、いいのはわかるのですが、それを言葉にしにくいのです。それをバシッと言ってくださると溜飲が下がります。
私も最近メンデルスゾーンの室内楽にとても興味が出てきたのです、弦楽四重奏はかなりものもだと人づてに聞きました。
2007.02.02 00:25

無題 - Niklaus Vogel

吉田さん、こんばんは!
2月1日は演奏会に行ったこともあり、「勝手に**の日」をお休みしてしまいましたが、吉田さんのエントリーを拝見してびっくりしました。
私が取り上げようとしていた曲とまったく同じでした(笑)。
スメタナ&パノハとするか、クリーヴランド&メリオラにするか悩んでいたのですが、あまりに性格が異なる演奏を前にして、書くに困ってしまったことが本当の理由かもしれません。
私もスケルツォがとても好きです。
ラルキブデッリの録音もぜひ聞きたくなりました!
2007.02.02 Fri 00:27 URL [ Edit ]

Re:Niklaus Vogelさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

奇遇ですねー。この曲、とてもいいですものね。
逆に私はスメタナ&パノハと、クリーヴランド&メリオラは聴いていません。従来の楽器による八重奏曲を聴きたいですう。
やっぱり、メンデルスゾーンのスケルツォはいいですよね!
ラルキブデッリの爽快な演奏も、是非是非お聴きになってください。
2/1の演奏会のことも、記事にされるのですか?
2007.02.02 00:53

無題 - garjyu

おはよう御座います。『勝手にメンデルスゾーンの日』ご参加ありがとう御座います。
実は(ここで小さな声になります。)この曲、まともにCDも持っていないのです。ラルキブデッリの演奏好きなので、これ探してきます。
2007.02.02 Fri 06:52 URL [ Edit ]

Re:garjyuさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

『勝手にメンデルスゾーンの日』、楽しかったです。またよろしくお願い致します。
このラルキブデッリの演奏はお奨めです。カプリングのガーデ(ゲーゼ?)の八重奏曲もなかなかでした。
2007.02.02 12:09

無題 - 木曽のあばら屋

こんにちは。
この曲、好きです。
ラルキブデッリも好きです。
カップリングされているニルス・ゲーゼの八重奏曲も、伸びやかで良い曲です。
ゲーゼは、メンデルスゾーンの弟子で、あとを継いでゲバントハウスの指揮者になりました。

私にとっては、「ラルキブデッリ」といえば、「なんかおもろい室内楽のブランド」で、
「今回はどんなことをやってくれてるのかな~」と期待してしまいます。
シューベルトの五重奏曲、モーツァルトのK.563、K334など、とても個性的で美しい演奏でした。
2007.02.02 Fri 07:57 URL [ Edit ]

Re:木曽のあばら屋さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

ゲーゼの八重奏曲の、第1楽章の旋律がバッハのブランデブルク協奏曲第6番に似ている気がしました。意識していたのかどうか定かでありませんが、うまく引用したなあという感じです。北欧の作曲家独特の雰囲気があって、いい曲です。

ラルキブデッリはモーツァルトもあるのですか。よさそうですね。
2007.02.02 12:18
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