マーラー 交響曲第2番「復活」 ショルティ指揮シカゴ交響楽団/合唱団 ブキャナン(S) ザカイ(A)マーラーを振る指揮者といえば、まずショルティをあげたい。こう言い切っていいのかどうか、あまり自信はないが、飲んでいるので良しとしよう。
「復活」では、ロンドン饗との演奏もいい。こちらはショルティがまだ若い頃の録音なので、良くも悪くもトゲのあるものだ。良くいえばいきりたった力強さ、悪い言い方だとゴリ押し。
なんとも若々しい攻撃的演奏だといえる。ロンドン饗のパワフルな響きが素晴らしく、デッカの豊穣な録音が華を添えている。
一方、シカゴ饗を指揮した1980年の録音は、ショルティがだいたい68歳のときのものだが、歳相応に鄙びたものかといえば全然そんなことはなく、こちらもやたらと勇ましい演奏である。
全体的に尖った響きを聴かせるけれども、まず冒頭の低弦に圧倒される。血管が切れるのじゃないかと心配するくらい、いきりたった弾きぶりである。何を思ってこういう演奏に至ったのか、ショルティと飲み明かしたいぐらいだ。80年代に入ってからのショルティは丸くなったと言われるけれども、基本路線は昔と何ら変わりなく、ここぞという時には期待を裏切らない爆裂ぶりをみせてくれる、ありがたい指揮者なのである。
この曲の大きな聴きどころは終楽章であるが、ここではやや一本調子な感じが否めない。バーンスタインやテンシュテットなどの演奏から聴こえる荘厳な雰囲気は薄い。思うに、ショルティが求めていたのは、そういった曖昧な奥の深さではなく、まず楽器をまっとうに響かせることによって明晰な音作りを目指すことだったのじゃないだろうか。極めてマジメな指揮者なのである。そういう音楽が時にとても心地いい。
この「復活」は、LP時代からしばしば取り出して聴いている演奏だが、今になっても新鮮な感興を起こさせてくれる。PR
無題 - ピースうさぎ
Re:ピースうさぎさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
ショルティのマーラーはいいですよねえ。
全集を完成している指揮者は多いものの、全部を聴いているのはこのショルティと、あとはテンシュテットぐらいかもしれません。
「復活」もいいですし、他の曲もなんというかスカがない。
ショルティのマタイ、これは興味深いです。
2007.09.27 17:45
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
シカゴ饗との「復活」は、ぎりぎりLPでした。これはショルティ/シカゴの残り全集第1弾だったという記憶があります。
ロンドン饗とのものも捨てがたいです。シカゴとはまた違ったよさがあって、どちらも長く聴いていたいものです。
ショルティは真面目、同感です。音楽に対しての誠実さを感じます。離婚歴があるので私生活はどうなのかわかりませんが(?)。
時代も良かったのかもしれませんね。
2007.09.27 17:50
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