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クーべリックのマーラー「交響曲第4番」

2010.03.28 - マーラー

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マーラー「交響曲第4番」 クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団


五木寛之と帯津良一の「健康問答」を読む。
現代人は健康に関して敏感だから、どうすれば健康になれるのかのハウツーは、テレビや雑誌には欠かせないネタになっている。
朝飯はとったほうがいいとか塩分は控えめがいいとか、本当なのかウソなのか実はよくわからない。
そんななかで、昼夜逆転生活を何十年にも渡って続けている「不健康」作家五木寛之が、健康諸説に疑問を投げかけたのがこの本。
五木の50の疑問にたいして、ガン治療の専門家が答える。世間の常識とはかけ離れた回答が痛快、切れ味バツグン。
興味深い話のなかで、特に気に入ったのはこれ。

五木「休肝日を、四十八時間つくらなくちゃいけないなんて、よくいわれていたけれど、それはもう、あまり意味がないんですか」。
帯津「私は、お酒は体にいいと思っていますから。お酒は養生法の一つですから、一日たりとも休んではいけないと、こういうんですけどね(笑)」。

この本は信用できそうだ(笑)。


クーべリックが60年代から70年代にかけてDGでセッション録音をしたマーラーの演奏は、ムラなくどれもレベルが高い。
中庸なテンポと音の空間的なバランス感覚、それにさらりとした情感がそっと加わっている。泣き叫んだり大笑いしたりといったような過度な感傷を注意深く排しているので、細やかな滋味を味わうことのできるオトナの演奏なのだ。
この4番もいい。
1楽章と3楽章におけるヴァイオリンのつややかなこと。対抗配置のせいか、こころもちヴァイオリン群が前面に出ている録音になっている。
低弦がじっくりと重心を支えているうえで、のびやかに鳴っていて実に美しい。ことに3楽章のラストのあたりではまばゆいくらいにきらめいている。
浮世離れをした響きに、自宅にいることを一瞬忘れる。
木管もすばらしい。クラリネットの、普段は聴こえないフレーズが顔を出すところの軽妙さ、繊細で悲しげなオーボエの響きなど技量もすぐれているし気合いもじゅうぶんだ。
モリソンも落ち着いた風格のある歌を聴かせる。ここは、もうすこし可愛らしい声のほうが好みである。

1968年4月、ミュンヘン、ヘラクレス・ザールでの録音。
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Comment

無題 - rudolf2006 in Okinawa

吉田さま お早うございます〜

まだまだ肌寒い沖縄にいます、爆〜
沖縄が寒いのですから、奈良で雪が降ってもおかしくないですね〜 「寒冷化」が一段と進んでいるのでしょうか?? 爆〜

「人間は健康のことを考えて不健康になった」という言葉を、かなり前に作りました〜。そもそも「健康」って何なんでしょうね〜

クーベリックのマーラー4番、これは大学時代から好きな演奏の一つです。LP時代からの愛聴盤です。
柔らかい演奏で、音が温かい演奏でもありますよね〜。バイエルン放送響、この頃の木管は本当に味のある音がしていたと思います〜

ミ(`w´彡)
2010.03.30 Tue 08:56 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006 in Okinawaさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

沖縄も肌寒いですか。埼玉が寒いはずです。今日から、やっと暖かくなってきたようです。地球の「寒冷化」、進んでいるようですね(笑)。

健康問題、今やたらにはやっていますが、なんだか胡散臭いと感じます。これは政府の陰謀ではないかと…。

クーベリックのマーラー4番、いい演奏だと思います。クーベリックのマーラーは安定していてムラが少ないですね。
ボヤボヤしていたら、3番が廃盤になったみたいです。全曲を聴く構想がここにきてあやしくなりました。
2010.03.31 22:02
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