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ジュリーニのベートーヴェン「交響曲第5番」

2010.08.11 - ベートーヴェン
  
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カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ロスアンジェルス・フィル




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ホテルの部屋から見えた電車。
長野電鉄屋代線だということは、あとで調べてわかった。
夏休みも最終日になってしもうた。楽しかった旅行に思いを馳せる。

 


「アメリカのジュリーニ」6枚組、第2弾。
ジュリーニがロスフィルを振ってDGに録音した演奏はどれも名演といっていいものだと思うが、この第5はとくにすばらしい。
こんなになめらかで、かつ緊張感のある冒頭はそうそうあるものではないだろう。最初の5秒を聴いただけで勝負あった感じ。
ジュリーニの必殺レガートは全曲に渡って随所に聴くことができるが、ある種の殺気めいたものを感じる。タイミングと按配が絶妙である。だからこの演奏の聴きどころは全部ということになるが、あえて特筆するとしたら、最終楽章になる。
やや遅めのテンポで進む音楽は、ややギクシャクしているようなところがある。それはジュリーニが流れよりも音の空間を重視しているからじゃないかと思う。ひとつひとつの音を神経質なまでにひきたたせてハーモニーのバランスをとってゆくところの根気は壮絶である。
1楽章に続いてここでも反復を実行しているが、転調をするところの緊迫感は上質なミステリーのどんでん返しのようで、思わず尻がすっぱくなる。
ピッコロの扱いは実に丁寧、ひとつも漏らさないよう細心の注意を払っており、とても効果的だ。
この演奏を十数年ぶりに聴いてみたけど、いままで聴いた多くの第5のなかでもトップクラスの演奏じゃないかと思う。

1981年11月、ロス・アンジェルス、ロイス・ホールでの録音。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま こんにちは

コメントが一ヶ月遅れになってしまいました〜;;
ジュリーニボックスが届いてからコメントしようと思って〜

ジュリーニのブラームスはこれまで買って聴いていたのですが、ベトベンは初めてでした。
吉田さんが書かれているように、やはり4楽章が圧巻ですね〜、それにあのピッコロのソロは本当に良く聞こえますね、あそこまでしっかり聞こえる演奏はめったにないと思いますね〜。

ここでも取り上げておられたと思いますが、マゼールとベルリンとの5番も面白いですよね〜

▼・。・▼
2010.09.12 Sun 11:40 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

ジュリーニの第五、好きなんですよ。
LPが出た当初に聴いたとき、冒頭の「運命の主題」のレガートからして、これはただごとではないと思い、アタフタしてしまいました。
終楽章のピッコロはじつに効果的ですね。
こうして改めてまとめてジュリーニの演奏を聴いてみると、ことにセッション録音にぴては完璧主義を感じます。それはあたかもチェリビダッケを想起させます。
マゼール/ベルリンの演奏は素晴らしいですよね。マゼール初期の代表盤ではないかと思います。
2010.09.12 21:07
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