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グリュミオーとマルケヴィチのベルク「ヴァイオリン協奏曲」

2011.01.15 - ベルク
  
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グリュミオー(Vn) マルケヴィチ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団


内田樹の「ひとりでは生きられないのも芸のうち」を読む。今まであたりまえと思いこんでいたことの理由が、平易な言葉で語られている。
著者は本書の目的を「現行の社会秩序を円滑に機能させ、批判を受け止めてこれを改善することが自分の本務である」と考える人を定量的に確保することだとしている。
でも、みんながそうした「常識的な人」にはならなくてよくて、できれば20%程度、せめて15%いればいいという。
「経験的に言って、五人に一人が「まっとうな大人」であれば、あとは「子ども」でもなんとか動かせるように私たちの社会は設計されています」。
どこかで聞いたことがある比率でしょう。そう、「2・6・2」の法則である。どんな会社も、できる人が20%、フツーの人が60%、できの悪い人が20%で構成されている、というアレである。これは社会全体にも言えるのだと、著者は経験則から唱えているわけだ。
そうであれば、残りの80%でいいじゃん。こんなふうに、ほっとするワタシはもちろん、お気楽組なのである。この本は実はそのお気楽組に対しての説教でもあることに、読み進むうちに気づいたのだった。


ベルクのヴァイオリン協奏曲は、まずグリュミオーのヴァイオリンの音色の美しさに惹かれないではいられない。艶やかな張り。キレのいい細めのフォーム。音そのものはクセがなくニュートラル。この楽器に期待する最良の音がここにあるといいたい。
注意深く感傷を排したヴァイオリンに、オーケストラがまたよく合っている。すみずみまで手の行き届いた緻密な合奏は、冬の湖のような透明感がある。見はらしがいいから、音が多い。こんなにいろいろな声部が聴こえる演奏は、いままで聴いたことがない。やられてみると、こうしたアプローチはこの曲に合っているように思う。さすがマルケヴィチ。
今まで聴いたこの曲のCDにはハズレが少ない。シェリング、パールマン、キョンファ、ズーカーマン、クレーメル、どれもそれぞれ魅力的。面白く聴かせやすい曲なのかもしれない。今の気分では、グリュミオー盤を第1に推したい。
録音は1967年。素晴らしく鮮やか。目隠しでは、録音年代を当てられない。

1967年1月、アムステルダム、コンセルトヘボウ大ホールでの録音。
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