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クーべリックのヘンデル「王宮の花火の音楽」

2010.12.23 - ヘンデル
   
han

ラファエル・クーベリック指揮 ベルリン・フィル


佐藤優の「インテリジェンス人間論」を読む。
橋本龍太郎や小渕恵三といった政治家たちとの邂逅は、この本の大きな読みどころであり、そのなかでもとくに、著者と親交の深い鈴木宗男に関する記述は興味深い。かけひきや陰謀がうずまくなかで、日本の国益のためにロシアと立ち回るところは、新聞などで報道されている彼の姿とはあきらかに違うものだ。マスコミの情報がいかに表面的かということを改めて思い知らされる。

あとこの本で面白いのは、金日成の著作の紹介だ。金日成は北朝鮮の観光事業に力を入れており、それには料理の充実が大事だと考えていたらしい。著書のなかで料理法について細かな注文をつけている。長いので、見出しだけを引用しよう。
「チェンバン麺のつけ汁は熱くしろ」。「ボラのスープは唐辛子ではなく胡椒で味付けろ」。「焼き肉レストランを作れ」。まるで料理本だ。チェンバン麺というのは、日本のつけ麺みたいなもので、肉やキノコなどを麺を一緒にお盆に入れて出す料理なのだという。うまそうだ。
「金日成著作集第42巻」に掲載されているとのことなので、興味のある方は参照されたし?


クーベリックの「王宮」は筋肉質。あたかもミドル級ボクサーのように引き締まったボディーを持つ。カツラを被った貴族たちが高価なワインを手にしてご馳走を楽しみながら聴く音楽としては、いささかストイックなもののような気がする。だからこちらも身が引き締まる思いだ。こういう音楽には正座で向き合うべきだろう。なんて、そこまではしないけどネ。
この肉体美、セルの演奏に較べても、研ぎ澄まされているように思う。あちらはハーティが編曲したものであるし、デッカの録音が音楽の輪郭をふくよかにさせているからだろう。
ベルリン・フィルがじつに雄弁。バリバリと咆哮する金管と朗々と鳴り響く木管に、硬く締まったティンパニが楔を打ちつけ、そこに弦が厚く広がる。ときはカラヤンの盛期。ベルリン、やはりうまし。

1963年、ベルリンでの録音。
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