ストコフスキー指揮ロンドン交響楽団・他の演奏で、ヘンデル「メサイア」(ハイライト)を聴きました(1966年9月、ロンドン・キングスウェイ・ホールでの録音)。
序奏からとても重厚。モダン楽器咲き乱れていたころのビーチャムやサージェント、あるいはオーマンディによる演奏を想起させます。いわゆる古楽による、ピノックやクリスティ、パロットらとは一味違う。どちらも素敵。それはヘンデルの音楽が、編成の大きさや演奏スタイルの違いを、ある意味超越して屹立しているからではないかと思われます。バッハの曲にもそれは通じるでしょう。
歌はおしなべて大柄、おおらか。そのあたりは英語圏の歌手を用いたオーマンディ盤にやはり似ているような。大きめ編成のオーケストラに色合いが似ている。
とりわけ、女声を気に入りました。コントラルトは呼吸がたっぷりと深く、気宇壮大。時を忘れるような感覚を覚えました。ソプラノは可憐にして優雅。
ストコフスキーの指揮は、大地を一歩一歩踏みしめるような悠揚迫らざるテンポ。それでいて気品高い音楽を聴かせてくれます。ビーチャム盤(グーセンス編曲)ほどの楽譜の改訂はありません。ただ、好きな「リジョイス」が含まれていないのは残念。
シーラ・アームスロリング(ソプラノ)
ノーマ・プロクター(コントラルト)
ケニース・ボーエン(テナー)
ジョン・キャメロン(バス)
チャールズ・スピンクス(チェンバロ)
フィリップ・レッジャー(オルガン)
ロンドン交響合唱団
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