池田清彦の「この世はウソでできている」を読む。
「日本列島史上最悪の侵略的外来種はイネであろう。イネが人為的に入ったせいで、この国の平地の草原や湿原の多くは田んぼになり、それによって滅ぼされた種は相当数にのぼる。しかし、イネは外来種だから駆除すべきだと言う人はまずいない」
著者は本書で、世の中にはびこる「ウソ」について独自の解釈をしている。民主主義、英語至上主義、国民健康保険、自然エネルギーについてなど、バサバサと斬っていて気持ちがいい。
上記の引用は、80年も前に食用の養殖魚として放流したブラックバスを、いまごろになり生態系が変わるという大義名分で駆除をしようとする言説に対する批判。
さすがにイネを駆除しようと思わないが、ブラックバスだけを悪者にするのは人間のご都合主義。
生態系を破壊する最大の生き物は人間であることを踏まえた論考が必要であろう。


イストミンのピアノ、オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏で、ブラームスのピアノ協奏曲2番を聴く。
テンポは全体的に中庸。イストミンのピアノは相変わらず、硬めで味がスッキリしている。ひとつひとつの音の粒立ちがいい。ときおり細かなアゴーギクをきかせて陰影を濃くするものの、基本的にインテンポ、直球をど真ん中にバシバシ投げ込んでくる。3楽章の中間部の、半音階的幻想シーンがなんとも美しい。
オーマンディのオーケストラは雄弁でありつつ、過剰な豊満さは避けているように思える。ピアニストのスタイルに合わせて、このコンビとしては筋肉質な音色を放っている。冒頭のホルン、3楽章のチェロはヴィブラート控えめで明快。
それにしてもオーマンディは、いったいこの曲を何度録音しているのだろう?
1965年2月、フィラデルフィア、タウン・ホールでの録音。
いっぷく。
PR