カルロ・マリア・ジュリーニ指揮 ロスアンジェルス・フィル大前研一の「遊ぶ奴ほどよくデキる!」を読む。
基本的にアウトドア志向のレジャーが多いが、あまりお金をかけないでもできそうな遊びがいろいろ紹介されている。例えば海遊び。
クルーザーで海釣りなんていうと富裕層の特権みたいなイメージがある。中古のクルーザーであれば200万程度で買えるというから、案外、自家用車をもつのと同じような感覚で購入できるみたいだ。
もっと手近なのは、自転車での散策。天気のいい日には家族みんなで江戸川の河川敷に出かけて、レンタサイクルで解放感溢れる自然と戯れる。なかなかよさそうである。
とまあ、こういうアウトドアから酒の飲み方まで、じつに多彩でパワフルな提案が盛りだくさん。昼も夜もご苦労さまである。
遊びは体力なのだということをつくづく思うノダ。
ジュリーニとロス・フィルのシリーズ、最終回。
トリはブラいち、ジュリーニ2回目の録音である。
血管がブチ切れるような、気合いの入った演奏である。気合いといえばミュンシュとパリ管を思い出すが、あのように剛直である反面、雑な演奏ではない。楽譜のすみずみにまで気を配りながら、知性と感情がせめぎ合った末にアウフヘーベンしたような、考え抜いた末の思考の産物なのである。
テンポはいつも通り遅いが、すべてのパートが明快に鳴っていて、いっときたりとも弛緩はない。随所に、ジュリーニ・マジックともいえるレガートが炸裂しており、それがピリッとしたスパイスとして音楽に抑揚を与えている。
ワタシの友人は高校時代に指揮者だった。高校のオーケストラ部を率いていたのだった。高校3年になった彼らは、王子にある北とぴあでコンサートを開くことになった。メインはブラームスの1番。
「俺はジュリーニのテンポでやるよ」。
それは一緒に行ったロス・フィルの来日公演を聴いてしばらく、さらにジュリーニのこのLPが出た後のことだった。
高校生にこのテンポはキツかった。どのパートもズッコケまくり。提示部の反復も実行した。全体的には鑑賞に耐えるものではなかったかもしれない。最後はなんとか堂々と、気持ちよく締めくくった。
彼の心意気はなかなかであった。カラヤンの大ファンだったのに、そしてカラヤンのブラいちもいい演奏なのにも関わらず、彼はなぜか、ジュリーニ/ロス・フィルを目指したのだった。
というわけで、この演奏はカラヤン・ファンまでも惑わせる、いい演奏なのである。
1981年11月、ロス・アンジェルス、ロイス・ホールでの録音。
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1楽章の反復を最初に聴いたのはこのレコードで、一瞬なにが起こったのかわかりませんでした。ああいう新鮮なオドロキも聴きての感受性のなせる業かもしれません(遠い目)。
王子、いいところです。一般道で都電と自動車が並走しているのはあのへんだけですね。