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ティボーのフォーレ「ヴァイオリンソナタ第1番」

2006.11.02 - フォーレ
ティボー/コルトー

ティボー(Vn)コルトー(P)/フォーレ「ヴァイオリンソナタ第1番」


クラシック音楽は、高尚な趣味だとよく言われる。実際に、20世紀初頭まではヨーロッパの貴族のものであったし、その後もどちらかといえば中流階級以上で親しまれている趣味である。
ベートーヴェンは、貴族の御用達のような地位を向上させるべく反抗した革命的な音楽家であったが、作風はともかくとして、このクラシック音楽(というか西洋的古典音楽)の需要層は依然としてごく一部の人々のものではなかっただろうか。
今でこそ、この日本でも私のようなごく平凡な一般市民が聴くようになったが、それは戦後になってマーケティングの裾野が広がったための恩恵であろう。
CDなんて、今は掃いて捨てるほど出回っていることだし。一食ぬけば1枚買えるのだが、いい時代になったというよりも、正直いって、相対的に食費が高くなっているほうが、私が生きてゆくうえでは、むしろ切実なものがある。

今、テレビではやりの「のだめカンタービレ」だって、先週の話で「私は貧乏ですからー」というようなことを言っていたけれど、アルバイトもしていないのに、ひとりであんな広いマンションに住んで、しかもグランドピアノが部屋にあるのだから、貧乏であるわけがない。
そもそも基準が違う。

というのが、私のクラシック音楽に対する偏見である。

勝手にフォーレの日

で、フォーレは、私にとって、その貴族的なクラシック音楽の典型となっている。
あの作風がそうさせるのだ。フォルテッシモを滅多に書かなかった、という噂を筆頭に、独特のもったりとした、モンマルトルの丘風のアンニュイな雰囲気が、ある種、一般庶民を寄せ付けないような雰囲気を醸し出しているのだ。
彼の「レクイエム」を聴くと、敬虔なキリスト教徒を感じさせないわけにはいかないけれども、実は、一見派手な「レクイエム」を書いたベルリオーズのほうが、熱心なキリスト教徒だったという。
これはひとつのお話にすぎない。が、彼のいろいろな曲を聴いてゆくと、ある種の怪しさを感じるのである。いいヒトの仮面を被った悪党のような。あたりはソフトだけど、実は底知れぬ煩悩をもっているような。
そして、ワーグナーに通じるところの絶大な性欲をも感じてしまう。曲の端々に、そんな色気があるのだ。この作曲家の、靄のかかったような、でも粘っこい作品の体質からそう感じるのだと思う。
これは想像の域を超えないが、私にとってこの作曲家は、とても絶倫な作曲家なのである。

以上、酔っ払いの戯言!



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