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ゼルキンのバッハ「ゴルトベルク変奏曲」

2008.06.07 - バッハ
bach

バッハ ゴルトベルク変奏曲、他 ピーター・ゼルキン(Pf)


ビリー・ワイルダー監督の「麗しのサブリナ」をDVDで観る。
オードリー・ヘップバーンの映画としては、「ローマの休日」に続く第2作目である。
ヘップバーンの魅力が爆発。可愛らしすぎる。
彼女の髪型、穿いていたパンツがブームになるのもうなづける。21世紀の現在に見ても全然古くないどころか、今またブームになってもおかしくないほどだ。
実業家のボガード、プレイボーイのホールデンは、それぞれ大俳優の持ち味を出しているが、ヘップバーンと比べてしまうと間抜けに見える。それほどヒロインが光っている。
洒落のきいた脚本と演出は、ビリー・ワイルダーの真骨頂といったところ。


ピーター・ゼルキンのゴルトベルクは、変化球ピッチングだ。
細かくテンポを揺らしたナックルボールや、角度のある落差のカーブを多投する。
ストレート勝負をあえて避けているようだ。
グールドの、特に新盤を聴きなれている耳には、あえてグールドと反対のテンポをとっているように感じる。グールドが速く弾き飛ばしているところはじっくりと腰を落として弾いていて、逆にグールドが止まってしまうかのようにゆっくりな部分は、すばやく弾ききっている。
全体を通して聴いてみると、各曲の印象がぼんやりとしている。曲のあいだのつながりが、やや希薄であるように感じる。ひとつひとつの演奏は、わるいものではないけれど、バラバラになっている印象である。
全32曲の大半は反復を省略しているので、演奏時間は短い。

1994年6月、ニューヨークでの録音。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま こんばんは

オードリ・ヘップバーン 「麗しのサブリナ」香り立つような美しさですよね。あの時代には本当に美人女優がいたんですよね〜。グレース・ケリーもきれいですよね〜。


天才 グールドのあの演奏があると
他のピアニストは、どうしたら良いんでしょうね
弾きたくなくなるのではないでしょうか
敢えて、録音するとなると、それなりの覚悟がいるようにも思いますね〜。

ミ(`w´)彡
2008.06.07 Sat 22:26 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

「麗しのサブリナ」、前から見たかったのです。想像通り、なんともいえない美しさです。
グレース・ケリーもいいですね。50年代のハリウッドにはキレイなひとが多いですねえ。

息子のゼルキンは健闘しています。いろいろ新しいことをやろうとしているのが伺えます。
ただ、やはりグールドの印象が強烈なので、それを払拭するのは難しいのでしょう。
親父さんのゼルキンが、もし残していたら、この曲の演奏史はかわっているかもしれません。
2008.06.08 11:13

無題 - bitoku

吉田さん、こんばんは。

「麗しのサブリナ」は昔見た事があるはずなんですが、どうも思い出せません。
「ローマの休日」は何度見ても楽しめますね。

ちなみに私が一番好きな女優さんは「カサブランカ」に出ていたイングリット・バーグマン。
なんか古き良き時代の女性達は魅力的でしたね。

ピーターZのゴールドベルクはグールド以降のピアニストの苦心が出ているようですね。
いやでもグールド盤を意識してしまって大変そうな感じ。

やはり前に吉田さんが取り上げたニコラーエワのが気になっております。BBCの例のシリーズからも出ているようでそちらの盤も気になります。
2008.06.08 Sun 00:16 URL [ Edit ]

Re:bitokuさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

「麗しのサブリナ」、よかったです。ボガードもホールデンも、脇役もみんないいのですけど、ヘップバーンの存在感はすごいです。
「カサブランカ」のバーグマンも魅力的ですね。あの映画、何度も観返しました。
ああ、また観たくなりました。

ピーター・ゼルキンは格闘しています。手を変え品を変え、いろいろな試みをしています。まさに、グールド以降のピアニストの苦心、ですね。
それに比べると、ニコラーエワの演奏は、グールドを意識させない点で、大変なものかも知れません。
この演奏のスケールの大きさは、ピアノならではなのじゃないかと思います。
BBCのシリーズからも出ているのですね。ライヴはまた違うよさがあるかもしれません。
2008.06.08 11:19
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