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リヒテルのチャイコフスキー「ピアノ小品集」

2008.05.26 - チャイコフスキー
richter

チャイコフスキー ピアノ作品集 リヒテル(Pf)


日曜日、今シーズン初めての野球観戦は、ヤクルト対楽天。
まだ風邪が完治していないので迷ったけれど、行ってみれば面白い。
神宮の外野席、初夏の風が心地よい。
楽天先発は「マー君」、伸びる速球がすばらしい。最高速は151キロだったけど、速いタマというのは数字以上に美しいのだった。
ヤクルトの増渕クンは、マー君と同級生。危険球で途中降板したのは残念。

jinguu1

試合前の練習風景



jinguu2

楽天が2点を先制。



jinguu3

珍しいマー君の打席姿(小さくてよく見えないナ)。このあと、叩きつけた打球は走者を帰して、ダメ押しの1点を稼いだ。



チャイコフスキーのピアノ曲は、それぞれ小粒ながらも、この作曲家独特のメランコリックな雰囲気が淡く漂う音楽だ。

・夜想曲 ヘ長調 op.10-1
・ワルツ・スケルツォ イ長調 op.7
・ユモレスク ト長調 op.10-2
・カプリッチョーソ 変ロ長調 op.19-5
・シャンソン円舞曲 op.40-2
・ワルツ 変イ長調 op.40-8
・ロマンス ヘ短調 op.5
・ロマンス ヘ長調 op.51-5
・少しショパン風に op.72-15
・いたずらっ子 op.72-12
・夕べの夢想 op.19-1
・メヌエット・スケルツォーソ op.51-3
・サロン風ワルツ op.51-1
・瞑想曲 op.72-5
・5月(白夜)
・6月(舟歌)
・11月(トロイカで)
・1月(炉端にて)

それぞれ2分から長くて8分の曲である。
雪の降る夜に、暖炉でウォッカをやりながら聴くのに、これほどふさわしい音楽もないだろう。
でも、雪は降らない、ましてや暖炉などない日本の5月に焼酎を片手に聴くのだってそう悪くはない。
これらの曲、半分以上は初めて聴く曲だけど、まるで親密だった幼なじみに出会うような懐かしさがある。
「夜想曲」の分散和音は、シューマンの交響練習曲の遺作の最終曲を思い起こさせる。深夜にこな雪がしんしんと降っているような風情。
「ワルツ・スケルツォ」の、パーティの宵の口の華やかさ。
「ユモレスク」は、田舎の日曜日の愉快な舞踏会。
「ワルツ」の、知らない世界に向けた憧憬。
1曲1曲に、華麗さとせつなさが同居していて、少々胸が痛いのだ。
「ロマンス ヘ長調」の、誰はばかることのない甘さはどうだろう。
甘くてほろ苦い音楽の連続に、酒とともにいい心地に酔いしれる。

1983年、バイエルンでの録音。
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Comment

無題 - sweetbrier

こんばんは~、遅くにおじゃまします。
マーくんは関西出身だと聞いています。数字以上に美しいタマ。。。何という修辞句、見たような気になってしまいますよ。

チャイコフスキーのピアノ小品、もっとあるんでしょうね。私は、今日のエントリーの中では、Op.72の3曲と、「四季」の4曲くらいしか覚えがありません。でも・・・

> 半分以上は初めて聴く曲だけど、まるで親密だった幼なじみに出会うような懐かしさがある。

私もそうだといいな。いつか聴いてみるとします。写真のリヒテル、頬がふくよかで表情も柔らかいですね。
2008.05.27 Tue 00:51 URL [ Edit ]

Re:sweetbrierさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

マーくんは北海道ではなくて関西でしたか。実際に見てみると、このヒト、たたずまいに華があります。スター素質でしょうか。そして、ストレートが素晴らしく速いのです。西武時代の松坂を彷彿とさせる、美しい速球でありました。

わたしはいままで、チャイコフスキーのピアノ曲を四季以外はほとんどきいたことがありませんでした。
リヒテルが弾いているということで購入したこのCD、ここのところ毎日聴いています。センチメンタルでとてもとっつきやすいのです。
ああやっぱりチャイコフスキーはいいなあとしみじみ思います。
写真のリヒテル、頬がふくよかで、笑顔がカワイイですよね。
リヒテルをかわいいというのもどうかと思いますが。
不思議な味のあるジャケットです。
2008.05.28 21:07

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます

楽天の試合は面白そうですよね
ついでに、野村監督のぼやきも放送してくれるともっと面白くなりそうですね~
パリーグは、ダルビッシュくん、まーくんといい、良い選手が多いですよね~
人気のパになりそうですね~

リヒテルのチャイコフスキーの小品
まったく聴いたことがありません、爆~
チャイコフスキーのピアノ曲は、「四季」という作品を聴いたくらいでしょうか~。

「華麗さと切なさ」が同居ですか、チャイコフスキーの曲一般に当てはまりそうですよね~

ミ(`w´)彡 
2008.05.27 Tue 05:42 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

楽天の野球は機動力です。バントを中心に、相手を霍乱させる攻撃が目立ちました。こういうの、生で見ると面白いのです。投手と打者しか写らないテレビではわからない野手の動きが俯瞰的にみるとわかるのです。
野村監督のぼやきが聴こえるとよりいいのですが。

リヒテルのチャイコフスキーの小品、初めて聴きました。
雪の降る夜に、ウォッカを片手に暖炉で聴いたら最高でしょう。
今はちょっと季節はずれかもしれませんが、それでもなかなかです。
それぞれの曲から、何かにたいする憧れが伝わってきて、せつなくなります。リヒテルがいつくしむように丁寧に弾いています。
2008.05.28 21:17

無題 - bitoku

吉田さん、こんばんは。

1曲目のノクターンから14曲目のメディテーションまではメロディア=ビクター盤で持っています。同じ音源だと思います。

>半分以上は初めて聴く曲だけど、まるで親密だった幼なじみに出会うような懐かしさがある。

同感です。私もこれらの曲のCDはリヒテルのものしか持っていませんでした。なんかノスタルジックでリヒテルにしては構えないで聴ける愛すべき盤です♪

チャイコはピアノの小品もなかなか良いと単純に楽しんで聴いています。

リヒテルは確かメロディアからチャイコの「四季」も出していたような気がします。
これは持っていないので是非聴いてみたいと思っています。
2008.05.30 Fri 00:06 URL [ Edit ]

Re:bitokuさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

この録音、お持ちでしたか。
いいですよね、このチャイコフスキー。リヒテルはこういった小曲を弾いても実にいい味を出します。これらの曲を、このCDで初めて聴きまして、IPODにも入れて今週は毎日聴いています。

>なんかノスタルジックでリヒテルにしては構えないで聴ける愛すべき盤です♪

仰るとおりです。リヒテルの自然でおおらかなピアノのすばらしいこと。小さいながら、チャイコのエキス満点です。

「四季」は全曲聴きたくなります。まだメロディアから出ていますかね。
2008.05.30 22:27

無題 - bitoku

吉田さん、こんにちは。

追伸です。

amazonで調べたらリヒテルの四季はラフマニノフの音の絵とカップリングでまだメロディア=ビクターエンターテイメントから現行盤が1700円程度で出ているようです。
店頭で見かけることは少ないかも知れませんが、amazonにまだ在庫があるようです。(在庫限りかも知れない)

私はこのメロディア盤は持っていないのですが、昔日本クラウンから出ていた「巨匠リヒテルの芸術」という2枚組CDの中に1982年のプーシキン美術館でのライヴが収録されているので、それを聴いています。(これは同タイトルでモスクワ音楽院のライヴなども合わせて4枚組LDも出ていた。)

1982年なのに録音がモノラルで音質的には不満ですが、やはりチャーミングな楽曲を愛情を込めて弾いている感じで温かみのある演奏でした。

リヒテルの海外のマニアのサイトにあるディスコ・グラフィーで調べると「四季」のCDも色々出ていたようです。

ご参考にトップ・ページのURLを記載しておきます。
http://www.trovar.com/str/
2008.05.31 Sat 12:46 URL [ Edit ]

Re:bitokuさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

またまたコメントありがとうございます。

ありましたありました。四季と音の絵ですね。これはすばらしいカップリングですね。音の絵は、昔LPでアシュケナージ盤を聴いていまして、けっこう好きな曲なのです。
四季の全曲盤はいまだもっていないので、リヒテルでそろえるべきなのでしょう。

リヒテルの録音は、いろいろなメーカーから出ているのですね。ひと昔はビクターくらいしかないと思っていました。
リヒテルの海外サイトも拝見しました。
しらないCDが大量にあります^^
貴重な情報を、ありがとうございます。
2008.05.31 21:55
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