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コーガンとシルヴェストリのチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」

2010.02.28 - チャイコフスキー

tch

チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」 レオニード・コーガン(Vn) コンスタンティン・シルヴェストリ指揮パリ音楽院管弦楽団


池田清彦の「がんばらない生き方」を読む。
ハタラキアリといっても、懸命に働くのはほんの一部で、じつは多くのアリはゴロゴロダラダラしているという。その中で、働いている連中を除外するとそのゴロゴロダラダラ集団はにわかに働きはじめるらしい。
これは人間社会でいうところの「二・六・二」の法則に似ている。なにも人間だけではないのだなあと。
組織のなかで働かないヒトは「伸びしろ」ともいえるわけで、自然界における不測の事態を回避するリスクマネジメントなのである。
なんていうことも、サボリの免罪符として覚えておかなければいけない。


昨日聴いたCDからもう一曲。
コーガンは好きなヴァイオリン奏者のひとり。切れ味鋭く、素早い。野太くて、剛直。ストレート一本勝負でありながらやけに振り幅は大きい。あたかも、阪神時代の江夏を思わせるヴァイオリンである。
そこへ、牧歌的な広がりを感じさせつつも、どことなくエキセントリックな暴力性を感じさせるシルヴェストリのオーケストラが混ざりあう。それはロシアを思わせるというよりは無国籍な、よりどころのないような空気が、ピリピリとした緊張感とともに漂う。
音場がときおり揺れる微妙な録音はお世辞にも優秀とは言い難いが、不思議にライブの雰囲気を醸し出しており、切迫感を煽る。
これもいいチャイコフスキー。



1959年11月、パリ、サル・ワグラムでの録音。
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Comment

こんばんは - rudolf2006

吉田さま こんばんは
携帯からのコメントです。
池田さんの意見、私は「ネズミ理論」として覚えていました。働き者の割合は決まっているようですね。私は怠け者ですが、(爆)

コーガン、懐かしいですね。最近、まとめてオイストラフを聞き出しています。コーガンにはいつ頃たどり着けますでしょうか?
(●^ー^●)
2010.03.02 Tue 17:51 [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

携帯からもありがとうございます。
アリとネズミは生態が似ているのですかね。
二・六・二、ワタシはもちろん、後者の「2」でございます。

ソ連のソリストは総じて信用しているのですが、コーガンも例外ではないです。オイストラフほどのスケールはないものの、謹厳実直な佇まいに惹かれます。あの風貌もよいですね。もう少し長生きしてくれればと思うソリストのひとりです。
2010.03.03 22:31

無題 - neoros2019

ヴァンデルノート、シルヴェストリはわたしとクラシックとの出会いを形作ったEMIの重鎮たちですね
クレッキなども加われば・・・・
レオニード・コーガンはEMIのカタログに載っていた面構えから常に気になっていたアーティストでしたがついにそのLPを購入するに至らなかったものです
シルヴェストリとボーンマス響とのシェエラザードのCDを購入したこともありますがADFディスク大賞受賞の新世界のような感銘は受けなかった覚えがあります
2010.03.02 Tue 18:50 [ Edit ]

Re:neoros2019さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

ヴァンデルノート、シルヴェストリ、クレツキといえば、EMIになくてはならない指揮者ですね。懐かしい。
このシルヴェストリのチャイコはなかなかアクが強くて面白かったです。何年か前にこの指揮者のボックスが出ていたのを少し気にしていたのですが、今思えばやはり買っておけばよかったと。

コーガンのヴァイオリンは最高ですが、面構えも大変よいです。
2010.03.03 22:33
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