チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」 レオニード・コーガン(Vn) コンスタンティン・シルヴェストリ指揮パリ音楽院管弦楽団池田清彦の「がんばらない生き方」を読む。
ハタラキアリといっても、懸命に働くのはほんの一部で、じつは多くのアリはゴロゴロダラダラしているという。その中で、働いている連中を除外するとそのゴロゴロダラダラ集団はにわかに働きはじめるらしい。
これは人間社会でいうところの「二・六・二」の法則に似ている。なにも人間だけではないのだなあと。
組織のなかで働かないヒトは「伸びしろ」ともいえるわけで、自然界における不測の事態を回避するリスクマネジメントなのである。
なんていうことも、サボリの免罪符として覚えておかなければいけない。
昨日聴いたCDからもう一曲。
コーガンは好きなヴァイオリン奏者のひとり。切れ味鋭く、素早い。野太くて、剛直。ストレート一本勝負でありながらやけに振り幅は大きい。あたかも、阪神時代の江夏を思わせるヴァイオリンである。
そこへ、牧歌的な広がりを感じさせつつも、どことなくエキセントリックな暴力性を感じさせるシルヴェストリのオーケストラが混ざりあう。それはロシアを思わせるというよりは無国籍な、よりどころのないような空気が、ピリピリとした緊張感とともに漂う。
音場がときおり揺れる微妙な録音はお世辞にも優秀とは言い難いが、不思議にライブの雰囲気を醸し出しており、切迫感を煽る。
これもいいチャイコフスキー。
1959年11月、パリ、サル・ワグラムでの録音。
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