ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」 ドホナーニ指揮ウイーン・フィルやっぱり正月休みはあっという間だった。
しかも休日納めの4日に予期せぬシステムトラブルがあったため、スクランブル出勤。
よって、実質的には4日間の休暇なのだった。大晦日のくつろぎが、今となっては夢のようである(T-T)。
仕事始めのウォーミング・アップに読んだのが、吉越浩一郎の「ムダな仕事はもう、やめよう!」。
この本に書かれている大きなテーマは『残業を減らすにはどうしたらいいか』ということ。
大事な課題であるが、これが現実的にはなかなか難しいのだ。
階層が少なければホウ・レン・ソウが少なくなる、とか、ムダな調整や根回しはタテ割りの組織が原因、などという説は、たしかに大いにうなづけるのだが、一社員が改善するにはいささかハードルが高い。
経営陣が残業禁止にするなど、組織が強制的にねじ伏せないと残業をゼロにするのは難しいだろう。
仕事を効率よく進めれば残業はなくなる、といった能力改善について書かれた本は多く、本書も例外ではない。
確かに個人の仕事能力が高まれば時間は短縮されるだろう。それは理解できる。
けれど、社員の許容量を大きく超える仕事がある場合はどうするのか。
緊急の案件やトラブルが発生した場合はどうするのか。
こういったケースは稀ではないから、このあたりもケアしてくれればよいのにと思う。
とはいえ、これは会社固有の問題なので、本に書くのは難しいのかもしれない。
ドホナーニのストラヴィンスキー。
出だしはわりと穏やかで、ハッとさせられるところはないけれど、だんだんとエンジンがかかってくる。
1場の途中、「人形使いの見世物小屋」から冴えてくる。オケの音色は小回りの効いたものではないものの、どっしりとした音色を基調にして、濃くて色鮮やかな響きを聴かせる。このあたりは指揮者の裁量だろう。
ソロでは、哀感のこもったフルートとクラリネット、アクセントが効果的に味付けされたハープ、闊達ではないけれどヴェールがかかって童話の雰囲気たっぷりなトランペット、そしてここ一発でズドンと腹に響く大太鼓が印象的。
ウイーン・フィルの打楽器は、演奏によっては時折ニブイこともあるが、この「ペトルーシュカ」では要所で鋭く決めている。
ピアノは全体に脇役に徹している。派手なパフォーマンスはなく堅実。音そのものの音量も控えめに録られているようだ。
全体に筋肉質でスマートな、そして不思議な熱気のある、いい演奏である。
1947年版によるもの。
1977年12月、ウイーンでの録音。
PR