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家計・非常事態宣言、ポゴレリチ、スカルラッティ"ソナタ"

2012.06.16 - スカルラッティ
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D・スカルラッティ 「ソナタ集」 イーヴォ・ポゴレリチ(Pf) 



荻原博子の「家計・非常事態宣言」を読む。
年収があがらないこの時代において、どのような資金運用をして老後に備えればよいのか。
切実な問題のようでいて、まだ実感がわかないノーテンキ40男である。高みの見物だ。

この本によれば、FXはもちろん、株も投資信託も個人年金もすべてNGだという。つまり、元本割れのリスクがある運用はやるべきではないと言っている。ということは、暗に普通預金や定期預金にしておけばよいと解釈できるのだが、それもまたどうなのだろう。

とどのつまり、資金の運用などに手を染めるヒマがあったら、汗水かいて日々働くことが、確実なのだといいたいのじゃないかというように読める。ハッキリとは書いていないが。
だとすれば、同感である。
株で1万稼ぐよりは、会社で、あるいは自営で懸命に働いて稼いで貯める。これが堅実だし、まっとうなやりかたではないかと思う。
われながらじつに平々凡々な結論である。スマンスマン。

 







ポゴレリチのスカルラッティを聴く。
ドメニコ・スカルラッティのソナタといえば、ホロヴィッツのピアノによる演奏を思い浮かべる(というか、それしか知らない)。

ここに収められた曲は、ホロヴィッツのと多少異なると思うが、同じ曲のものについては、なんというかもう、まったく違う曲に聴こえる。テンポはすべてポゴレリチのほうが遅い。遅いうえに、テンポの揺れも大きい。ホロヴィッツのが軽やかで色彩的とすれば、このCDの演奏は濃厚で前衛的。知っている曲ならばどうにか作曲家を当てることができるが、そうでなければ、これを18世紀の音楽とは思えないのじゃないだろうか。

そういう意味では、新しい世界を切り開いた演奏だといえるだろう(もう20年以上前の録音なのだが)。
とはいえ、重量感たっぷりであり、私のお腹にはもたれる。なので、普段聴くのはホロヴィッツということになる。


1991年9月、ハノーファー、ベートーヴェン・ザールでの録音。

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Comment

スカルラッティといえば - yoshimi

こんにちは。
バッハはピアノでも弾けるけれど、スカルラッティは音色がチェンバロと結びついているので、ピアノでは弾けないと、たしかブレンデルが言っていたように記憶してます。

ポゴレリチは、音響的には最もチェンバロに近い演奏ですね。
一歩間違えばコミカル(?)に聴こえかねない独特のタッチは、グールドのスカルラッティに少し似ていますが、ポゴレリッチはさらに音が短くスタッカートなところがチェンバロ的で面白いです。

私が初めて聴いたスカルラッティは、ミケランジェリでした。リサイタルでも度々弾いていたようですが、とても端正で美しい演奏で、ミケランジェリのクールなピアニズムには似合うように思います。
ミケランジェリが刷り込みになっているせいか、軽やかで柔らかいタッチのホロヴィッツは、とてもロマンティックに聴こえますね。

最近聴いたなかでは、フー・ツォンとアレクサンドル・タローのスカルラッティも表情豊かです。
タローはバロック演奏で人気がありますが、曲想の弾きわけが多彩で、自由闊達なスカルラッティです。
2012.06.18 Mon 09:20 URL [ Edit ]

ミケランジェリ・・・ - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんにちは。
ブレンデルがピアノでは弾けないと言っていたのですか。どういう理屈か皆目わからないものの、彼に言われると、なんだかそう思えてしまいそうです。

ポゴレリチのは、音が短いけれど、遅いのでなんとも不思議な感覚がします。これはこれで面白い演奏です。

グールドにスカルラッティがあるのですね。それはぜひ聴いてみたいです。
ミケランジェリ、家にあったかも・・・。10枚組のやつか、あるいはキングレコード(ガルッピとかはいっているやつ)でしたか? 探してみなきゃ!
2012.06.18 10:06

CDはいろいろありますが - yoshimi

こんばんは。
ミケランジェリのスカルラッティのCDは、Altaraのワルシャワライブ、BBC Legends のライブ盤を持ってます。

HMVで調べると、DocumentsのBOXセットにも入っているようですが、録音年が違いました。
キングレコード盤は、BBC Legends盤とカップリング収録曲(ベートーヴェンとガルッピ)が似ていますが、ソナタの作品番号が違うようです。

これはYoutubeにある珍しい放送用映像です。
動画番号:FGFBfCmWaxM
(URLを入力すると投稿禁止になったので、Youtube内の検索BOXでこのコードを入力すると、該当動画が表示されます)

ワルシャワライブはこちらです。
動画番号:A9tddFcp5GQ

グールドの音源もYoutubeにたくさんあります。
検索すればすぐに見つかります。
2012.06.18 Mon 22:22 URL [ Edit ]

youtubeもいろいろありますね! - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんにちは。
そうそう、私の持っているのはDocumentsのBOXとおキングレコード盤です。
いままであまりスカルラッティを意識して聴いてこなかったので、忘れ去っていました・・・

ご紹介いただいたyoutubeを聴きました。
ミケランジェリの放送音源、録音が少しキンキンするものの、彼の音の澄みやかを感じられます。相変わらず、ピンと背筋を伸ばした姿勢がイイですね。
ワルシャワのは音が良いせいかふくよかに感じます。55年といえば35歳くらいですかね。じつにイキイキとしています。
グールドのは音質がいいですね。切れ味と弾力感があります。

こんなにまとめてスカルラッティを聴くのは初めてです。
いつもご紹介ありがとうございます。
2012.06.19 18:26
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