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開かれた窓、ポゴレリチ、ショパン"スケルツォ2番"

2012.11.20 - ショパン
 
cho
 

  
ショパン 「スケルツォ集」 イーヴォ・ポゴレリチ(Pf)



サキ(中村能三訳)の「開かれた窓」を読む。

サキの新潮文庫に含まれている短編集は、どれも珠玉とも言える作品ばかり。同じ短編の名手であるO・ヘンリと異なるところは、ブラックなユーモアが効いているところ。この「開かれた窓」もそう。招かれた家の窓が全開になっている。不審に思った主人公が聞いたのは・・・。

短編というよりは掌握小説とも言えるほど短いストーリーだが、起承転結がギッシリと凝縮されていて、アイリッシュ・ウィスキーのように密度が濃い。
毎晩、寝床で1編づつ読むのが楽しい時間だった。









ポゴレリチのピアノでショパンの「スケルツォ」を聴く。

これは鋭利な刃物を突きつけられるような、のっぴきならない演奏。
一つ一つの音を研ぎ澄ませ、音量に細心の注意を払っている。
遅めのテンポと冬の湖のような冷やかな雰囲気はミケランジェリ盤(DG)に少し似ているが、こちらのほうがさらに神経質な佇まいをみせている。

樹氷のように細やかで冷たく、そして触れたらポッキリと折れそうなほどに繊細な、凝りに凝った演奏。冴えわたる高音の音響美が光る。


1995年9月、ワトフォードでの録音








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Comment

サキとモーム - yoshimi

こんにちは。
サキの短編集は私も好きです。
初めて読んだ作品がこの「開かれた窓」で、高校時代の英語のリーダーの教科書に載ってました。
彼の短編は、クールでシニカルなウィットがきいていますね。
私はお酒は飲まないので、ビターなチョコレートケーキ...というところでしょうか。
サキはなぜか寝る前に読みたくなりますね。
ナイトテーブルの上に積んでいるのを思い出したので、読みたくなってきました。

モームの短編集も好きなのですが、同じイギリス人作家でも、モームにはサキのように斜に構えたところはないですね。
彼の短編のなかでは「雨」が一番記憶に残っています。
2012.11.22 Thu 18:55 URL [ Edit ]

寝る前のひととき - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんにちは。
「開かれた窓」が教科書に載っていたのですね。それはなかなか気がきいていますね。
それぞれ短いので、いくつかまとめて読めてしまうのですが、あえて1作づつ読むようにしていました。「十三人目」という、ひとつだけ戯曲が含まれていますが、なんともバカバカしくて面白い。

モームの短編集は、誰が買ったのか、昔実家に置いてあったものを読んだことがあります。内容はサッパリ忘れているので、もう一度読み返してみたいですね。
2012.11.23 08:38

サキ、やっぱり面白いです - yoshimi

こんにちは。
寝る前に久しぶりにサキを読んでいたら、面白くて眠れず、本の半分くらいまで読んで、今朝残りを読み終わりました。
「13人目」は、珍しく戯曲のコメディ調ですね。あま
り毒気がないので、同じコメディ風な話でも、小説スタイルの方が文章が冴えているような気がします。

一番面白くてしっかり記憶に残ったのが「狼少年」。最初から最後まで不気味な雰囲気が漂ってます。
「運命」と「ある殺人犯の告白」の”なりすまし”ものも面白いです。
どうやら、オカルト・スリラー・犯罪系の話が私の好みに一番合うようです。

「平和的玩具」の子供は、ちょっと末恐ろしい感じ。子供の持つ”怖さ”が題材になっている話が多いのも、シニカルなところなのでしょう。
2012.11.24 Sat 11:39 URL [ Edit ]

二度目を読みました - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんにちは。
「狼少年」、最初はうそつきの少年が・・・なんて教訓的な話を連想しましたが、これはしみじみコワイですね。ブラーック・ユーモアというよりもブラック1本。
最初から最後まで不気味な雰囲気が漂ってます。
「運命」と「ある殺人犯の告白」のなんとも不気味な雰囲気にも味があります。
「平和的玩具」は、いかにもという感じがします。私は戦争は嫌いですが、戦車や戦艦などのみるとワクワクしてしまうのですね。困ったもんです。
あと、「おせっかい」もなかなかです。いがみ合っていた両者が和解したと思ったら、ラストの1行が・・・パンチが効いています。
2012.11.26 09:10
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