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"最後の晩餐、ブリュッヘン、シューベルト"6番"

2014.07.06 - シューベルト

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開高健の「最後の晩餐」を読む。

これは、古今東西の食に関して果てしなき追求をしたエッセイ。
下はドッグフードから上は王侯貴族のフルコース、さらには喫人の話まで。

中国は、特に唐代において「両脚肉」と呼んで人間の肉を市場で売っていたと云う話や、アメリカでは年間263万トンものドッグフードが生産されていると訊きドッグフードを使った料理を開陳したり、あるいは辻静雄が提供する12時間もの時間をかけたフルコースの晩餐など、興味が尽きないエピソードの数々が開陳される。

なかには、災害時の食事についても触れており、これがまた面白い。大地震に備えてなにか備蓄しているか?との問いを作家仲間に電話リサーチする。

「ない。何もしていない」 阿川弘之
「竹やぶだと地割れしないと聞いたので家のまわりに孟宗竹を十本ほど植えた。それだけや」 遠藤周作
「(はなから笑声で)地震がきて、家がつぶれて、その下敷きになって死ぬというのに、なぜ缶詰を買いおきしておくんだ。エ。おまえ。」 吉行淳之介








ブリュッヘンの指揮でシューベルトの交響曲6番を聴く。

ノン・ヴィヴラートによる演奏は、モーツァルトやベートーヴェンには演奏によってはいいものがあるのは知っているが、ことシューベルトについては、あまりいい印象がない。シンフォニーと云えどもシューベルトはシューベルトであって、歌の人なのだ。だからヴァイオリンの音はいささかの湿り気が欲しい。
なので、このCDの「未完成」はあまり、ピンとこなかった。よく考えられた演奏であるとは思うものの、やはり潤いに欠ける。

それに比べると、この6番はいい。「未完成」のような息の長いフレーズが少ないからだろう。こうしたフットワークの軽い音楽だと、むしろノン・ヴィヴラートの良さが生きる。

1楽章は快活。朝に聴いたら元気が出そう。
2楽章も軽快。全体的に音が短く、ウキウキしている。
プレストのスケルツォも、もはや云うまでもなくノリがいい。モーツァルトのアレグロを思いおこさせるスピード感がいい。
終楽章は、カラッと晴れた休日の朝の散歩。木管と弦との掛け合いが気持ちいい。そこに耳掻き一杯の鬱屈があるのがシューベルト。

18世紀オーケストラは好調。危なげなし。



1993年11月、オランダ、ユトレヒト、フレデンブルクでの録音。






冷やし中華とツイッター始めました!




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久しぶりの鱧。



ma
 
久しぶりのペドロ。








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Comment

「最後の晩餐」、面白いです - yoshimi

こんにちは。
開高健といえば、『ベトナム戦記』は随分昔に読みました。ちょうどベトナム戦争に関する本を集めていたときです。
すっかり内容を忘れていましたが、従軍ルポに加えて、ベトナム(ホーチミン)の歴史・風土・生活のルポなので、読み直しても面白かったです。

『最後の晩餐』(『開高健全集』第15巻に収録されてました)は、早速図書館で借りて読んでます。
ルポ的な簡潔明瞭で歯切れよい文体にしては、想像力を刺激するような膨らみがありますし、テーマも切り口も多種多様で、これは面白いですね!

『王様の食卓』に「食べることが職業だとなると、つらいゼ」と書いてありますが、辻静雄の伝記小説でも、欧州修行旅行時に気分が悪くなっても食べ続けるつらさを物語るエピソードがあって、ほんとうにその通り。
肝心の王様の食事メニューについては、なぜかクロワッサン朝食の内容だけ詳しいですが、どんなクロワッサンなのか、食べてみたくなります。

開高健は中華料理が好きだったようで、中国と中華料理に関する話が多いですね。
それに、1970年代に書かれているせいか、ナチスやソ連の収容所の話がでてきて、これは重いです。

3人の女帝の話、スパイ小説(ジンメルの「白い国籍のスパイ」は読みたくなります)、素食とか、よく知っているジャンルの話だと、面白さ倍増です。

吉行淳之介は読んだことがないのですが、この答えには性格が出ているんでしょうね。
こういう人に限って、無事に生き残ると思いますが...。
2014.07.10 Thu 13:02 [ Edit ]

料理の百科全書のような - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんにちは。
開高健は「ロマネコンティ」等、短編などを少し読んでいるだけであまりくわしくありませんが、この本は問答無用に面白かったです。

東京の神楽坂に「カド」という料亭があるのですが、店の片隅に6畳ほどの立ち呑みコーナーがあり、そこにしばしば通っています。店主が揃えた料理本がずらっと並んでおり、「最後の晩餐」もそのひとつでした。

この本、確かに中華料理の記事が多いですね。なかでも、素食に関するメニューの一覧には驚きました。実に奥深い。

辻さんの晩餐会は、一度でいいからありつきたいです!
2014.07.10 19:05

無題 - Yuniko

ポンコツスクーター様こんばんは。
ブリュッヘンのシューベルト交響曲全集はわたしも持っています。古楽器オケのゴツゴツしたクールな響きがユニークなシューベルトですね。
この全集の中では、やはり初期の交響曲がいい味を出しているのではと思います。
シューベルトの交響曲全集は、なぜかいろいろ所有していて、ブリュッヘンのほかにも、ベーム&ベルリン・フィル、ムーティ&ウィーン・フィル、マリナー&アカデミー室内管、マゼール&バイエルン放送響と5種類も持っています。なかなか満足できる全集に巡り会えず、シューベルトの演奏はそれだけ難しいのだと感じます。小編成オケならマリナー&アカデミー室内管、大編成オケならマゼール&バイエルン放送響が好みです。
2014.07.17 Thu 22:07 [ Edit ]

シューベルトのシンフォニー - 管理人:芳野達司

Yunikoさん、こんにちは。
ブリュッヘンのシューベルトは、紹介の6,8のみしか聴いていませんが、仰る通り初期のものがよさそうです。6番はキレキレの演奏で、愉快です。
シューベルトの交響曲全集、いろいろお持ちですね。彼の初期のシンフォニーは地味ですが、どれもいい曲です。曲の内容を考慮すると、もっと多くの指揮者が全集を作ってももおかしくないのではと思います。
といいつつ、所有しているのは、C・デイヴィスのものだけなのですが。。
あの全集は何と云ってもドレスデン・シュターツカペレのコクのある響きがとてもおいしく、気に入っています。
2014.07.18 09:31
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