ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団上田城。
ボランティアの方が案内してくれた。みんな後をぞろぞろ付いていく。なんだか懐かしい。
大手門。
大手門からみる真田神社。
真田石。これだけでは大きさがわかりませんね。
二の丸の堀の跡。
堀の跡にプラットフォームの残骸がある。昭和40年代まで上田電鉄の線路敷となっていたらしい。夢のあと。
猛暑の季節はベートーヴェンでしょ。
もっとも、今日は霧雨が降りつけていくらか涼しかった。
そう、オーマンディの「英雄」は涼しげ。音はたっぷりと鳴っているのに、どこかクールだ。それはブーレーズのような金属的冷やかさとは異なる。無理やり例えて言うならば、たっぷりと具が載った大盛り冷やし中華的なものだ。見た目は華やか、太めの麺にはコシがあり、甘酸っぱいつゆとよくからむ。ボリュームが多いわりには、つるつると難なく完食。おいしいので、今日だけで3回聴いた。
この演奏で面白いのは、ホルンの扱いだ。まずは、1楽章の最初の主題が全奏するところで、信号のようにちりばめられる。このタイミングでのホルンの登場を、他の演奏で聴いた記憶がないが、この音がいい。昔のフランスのオーケストラの音に近いかもしれない。軽やかな夢のような音色。このあとにも随所に聴くことができる。
大変美味なり。
弦がどっしりとしているので、そのうえで踊る管楽器とのバランスがいいようだ。切れのいいオーボエ、それから渋く要所を締めるフルートが味を出している。
「英雄」は、カラヤンとかフルヴェンのようにいきりたった演奏もいいけれど、おおらかなオーマンディも捨てがたいナ。
1961年4月の録音。
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上田城、期待していたのですが、松本城のように天守閣は残っていないのです。ちょっと残念でしたが、案内のボランティアのおばちゃんがいい味を出していたので面白かったです。
オーマンディ師のベートーベン、こんなに面白かったとは!
独特の改変は、けっこう効果的だと思います。料理に一粒のスパイスといった感じですね。
CDを探すとき、HMVのサイトを検索することが多いのですが、このCDは廉価版のレーベル(CBS)だとヒットしません。オーケストラ名で検索して当てました。あれにもコツがいるようです。