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プレヴィンたちによるサン・サーンス「七重奏曲」

2008.10.25 - サン=サーンス

previn

フランス 室内楽曲集 アンドレ・プレヴィン(Pf)、他


モツ煮込み。
少々時間はかかるが、カンタン。
涼しいこの季節に最適のつまみ。今夜はこれでそば焼酎。

1.モツの下煮。
水に酒(今回は焼酎にした)と生姜を入れて1時間ほど煮る。

2.味付け
下煮の汁は全部捨て、新たに水をはり、モツとともに人参や大根、ごぼうを入れてまた1時間くらい煮る。こんにゃくや豆腐ももちろんおいしい。
醤油や味噌で味付けして完成。


nikomi

煮ている間は、本を読むもよし、ビールを一杯やるもよし。


サン・サーンス。
吉田秀和の「LP300選」のなかで、サン・サーンスのことをあんまりよく言っていないことを真に受けて、学生時代はこの作曲家のことをはなから馬鹿にしてろくに聴かなかったものだが、先入観なしに聴いてみると、どれもまっとうでよくできた作品ばかり、なんていうと恐れ多いけど、歴史のフィルターをかいくぐるだけのことはある作曲家であるなあと改めて思う。
この七重奏曲はことにいい。
弦楽四重奏にコントラバスとピアノ、それにトランペットなんていう編成の曲は他に知らないけれど、聴いてみると、もうこれ以外の編成では成り立ちようがないのじゃないかという説得力を感じる。
こういうのを職人芸というのだろうか、構成もメロディーもソツがなく、キッチリしていてスキが見当たらない。
楽器の登場回数も公平だし、それぞれ見せ場があってバランスがいい。
トランペットなんて、室内楽ではいかにも浮きそうな感じがするが、これが不思議と馴染んでいるのである。
委嘱したヒトがトランペットを望んでいたらしいのだが、それに答える作曲家の力量はやはり普通でない。
なかでは特に4楽章が良かった。玉をころがすようなプレヴィンのピアノ、天空を舞うスティーヴンスのトランペット、ゴリゴリとドスを効かせる低弦。それらが軽快なスピードでもって入れ替わり立ち代り登場するさまは、めくるめく音楽の洪水なのだった。これは楽しい。


アンドレ・プレヴィン(ピアノ)
トーマス・スティーヴンス(トランペット)
ジュリー・ローゼンフェルド(第1ヴァイオリン)
アニ・カヴァフィアン(第2ヴァイオリン)
トビー・ホフマン(ヴィオラ)
カーター・ブレイ(チェロ)
ジャック・クロヴィッチ(コントラバス)


奏者は、アメリカを拠点に活躍していたメンバー。トランペットのスティーヴンスは元ロス・フィルの首席奏者、チェロのプレイは当時ニューヨーク・フィルの首席であったそうな。


1993年5月、ニューヨークでの録音。

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Comment

無題 - ニョッキ

こんばんは。

このアルバム、私も持っていてとても気に入ってます。

ベートーヴェンやマーラーなどのドイツものを聴いてちょっぴり疲れたあとに聴くととても新鮮です。

プーランクが好きですが、このサンサーンスも仰るようにトランペットがよくマッチしていて楽しい曲だと思います。
2008.10.25 Sat 23:56 URL [ Edit ]

Re:ニョッキさん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

このアルバム、お持ちですか。なんとも楽しいですね。プーランク、軽妙ですばらしいです。サン・サーンスは、実は最近になって馴染んできました。
ミヨーの、ジャズ風のけだるい音楽もいいものです。
プレヴィンをはじめとした演奏者もとてもうまいもので、叶うかわかりませんが、このメンバーで他の曲も聴いてみたいと思います。
2008.10.26 08:36

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます

モツ煮込み 美味しそうですね
段々、そういうものが美味しい時期になりましたね〜。

サン・サーンス 長生きで90歳近くまで生きていて、20世紀になってからも生きていましたよね。フランスの新しい音楽からみると、時代遅れのように20世紀の初頭には思われたのかもしれませんね〜。

この曲は聴いたことがありません。面白そうな曲ですよね〜。サン・サーンスといえば、晩年に書いた木管楽器のためのソナタを思い出します。オーボエ、クラリネット、バソン、いずれも、本当に良い曲です〜。
フランスの名手が演奏したCDは、廃盤になってしまっています〜。残念ですが〜。

ミ(`w´彡)
2008.10.26 Sun 05:45 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

モツ煮込み、居酒屋では必ずといっていいほど頼みます。この季節では鍋物が出てきます。野菜がたくさんとれるし、調理がカンタンなのがまた魅力です。

長生きでしたね。6人組からは「保守的」と煙たがられていたらしいですが、長年フランス楽壇を支えてきただけに、力量はさすがにすごいのでしょう。
七重奏曲、サン・サーンスのなかでは気に入りの曲になりました。
晩年に書いた木管楽器のためのソナタ、良さそうです。室内楽がいいような気がします。
2008.10.26 08:46

無題 - 木曽のあばら屋

こんにちは。
吉田秀和氏はサンーサーンスが相当お嫌いのようです。
フランス的なものよりドイツ的なもののほうが上、
とお考えのようにも感じられます。
一方、音楽評論家の渡邊和彦氏は次のように書いています。

「サン=サーンスなどの作品の面白さを本当に味わうことができる人こそ、音楽分野の文明人。
 彼らの作品を 『華麗だが内容に乏しい』 と軽蔑し、
 その対抗馬にベートーヴェンのコンチェルトやカルテットを持ち出す人は野暮天だ。
 ごはんと味噌汁があれば、ケーキも紅茶もいらないという無粋者に、
 サン=サーンスの音楽の贅沢で粋な味わいが分かるはずもない」
  (「ヴァイオリン/チェロの名曲名演奏」 音楽之友社、1994年、142ページ)
2008.10.28 Tue 18:02 URL [ Edit ]

Re:木曽のあばら屋さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

吉田秀和はサン・サーンス嫌いですね。文章から滲み出ている、というか露骨というか。
それを真に受けて、しばらく聴かない時期がありました。
吉田がこんなにボロクソ言っているのに、なんでこんなにCDが出るのだろう、なんて思ったりして…。

渡邊和彦の論評、いくつか読んだことがあると思います。この文章、あからさまに吉田秀和に対抗しているようです。
「野暮天」、面白いですね^^
2008.10.29 21:27

この曲は - narkejp

なかなか充実した、いい曲ですね~。大いに楽しみました。コメントをいただいておりましたが、お名前のリンク先がこの記事になっていたのですね。今更ながら気がついた次第です(^o^;)>
サンサーンスの室内楽曲は、そういえばあまり聴いていないことに思い当たりました。まだまだ楽しみはある、ということですね。
なお、当方、トラックバックも制限せずに受け付けておりますので、よろしければどうぞご利用ください。
2012.07.01 Sun 18:00 URL [ Edit ]

サンサーンスの室内楽はいいですね - 管理人:芳野達司

narkejpさん、こんにちは。
この七重重奏のアルバムは、この曲を目当てに購入したのではなかったのですが、聴いてみて得をした気分です。
サンサーンスの室内曲をHMVで検索すると、、意外に少ないのです。ナッシュ・アンサンブルのボックスがありますが、少し高いので迷っていいます。
narkejpさんの記事にトラックバックしようと思ったのですが、当方の運営サイト(忍者)の構成が最近変わって、トラックバックのやり方が一見わからなかったのでしませんでした。やり方を調べてみます。
2012.07.01 21:59
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