R・コルサコフ「シェエラザード」 マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団 マジェスケ(Vn)春はたけのこ、近所のスーパーに大きいのが並んでいたので買ってみる。

ぬかを入れて沸かした湯で、串が刺さるくらいまで湯掻く。
1時間くらい。

出来上がったら、冷たくなるまで鍋ごとほうっておく。
最初、50センチあったものが皮をむいていくと30センチくらいになる。

皮を剥ぎ取り、適当な大きさに切って調理する。

たけのこご飯と味噌汁、あと挽肉との炒め物。
新鮮なたけのこはとうもろこしの匂いがする。
今晩は焼酎がお供だったけど、ワインやウィスキーにも合いそうだ。
マゼールとクリーヴランドのコンビ。
懐かしい70年代。
懐かしいと言ったって、リアルに知っているのは後半の一時期だけだけど。
この頃のマゼールの演奏には、よいものが多かった。
クリーヴランドの音楽監督ということで、なにかと前任者と比べられて、ちょっと気の毒だったような気がするけど、当時のマゼールは全然悪くなかった。
ちょっとアクは強かったけれど、縦の線をきっちりとあわせてくるところなんかは、セルのスタイルに近くて、遜色なかったはずだ。
彼はこの時期に主にデッカやCBSと多くの録音を残したけれど、特に好きなのは「シェエラザード」と「イタリアのハロルド」だ。
両方とも、マゼールの魅力が爆発している。
ことに今晩取り上げる「シェエラザード」は、あまり評判はよろしくないかもしれないけど、まったくユニークな演奏となっていて、ちょっと他に代えがたい。
スケールは、極小だ。
箱庭的小ささと言える。
カラヤンやオーマンディ、またはロストロポーヴィチの演奏が「森」だとしたら、この演奏は「盆栽」である。小さくまとまっていて、セコさすら感じる。
そのぶん、ディテイルにこだわっている。
どんなに速いパッセージでも、ひとつひとつの音が粒だっている。トランペットもヴァイオリンもシンバルも。
ことに終楽章における小太鼓の小技の切れ味といったら、この曲の演奏史上、もっとも活発なものなのじゃないだろうか(もちろん全部聴いたわけではないが)。
そういうところを聴いても、この演奏はロシア的匂いのあるものではない。メカニックを追求し尽した演奏である。
なので評判は良くない。でも、今の気分では、私的オーケストラ録音のベスト10に入るくらい、素晴らしくアウトサイダーな演奏である。
1977年、クリーヴランドでの録音。
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