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マゼールのR・コルサコフ「シェエラザード」

2008.04.29 - R・コルサコフ


maazel

R・コルサコフ「シェエラザード」 マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団 マジェスケ(Vn)



春はたけのこ、近所のスーパーに大きいのが並んでいたので買ってみる。


takenoko

ぬかを入れて沸かした湯で、串が刺さるくらいまで湯掻く。
1時間くらい。


takenoko

出来上がったら、冷たくなるまで鍋ごとほうっておく。
最初、50センチあったものが皮をむいていくと30センチくらいになる。


takenoko

皮を剥ぎ取り、適当な大きさに切って調理する。


takenoko

たけのこご飯と味噌汁、あと挽肉との炒め物。
新鮮なたけのこはとうもろこしの匂いがする。
今晩は焼酎がお供だったけど、ワインやウィスキーにも合いそうだ。



マゼールとクリーヴランドのコンビ。
懐かしい70年代。
懐かしいと言ったって、リアルに知っているのは後半の一時期だけだけど。
この頃のマゼールの演奏には、よいものが多かった。
クリーヴランドの音楽監督ということで、なにかと前任者と比べられて、ちょっと気の毒だったような気がするけど、当時のマゼールは全然悪くなかった。
ちょっとアクは強かったけれど、縦の線をきっちりとあわせてくるところなんかは、セルのスタイルに近くて、遜色なかったはずだ。
彼はこの時期に主にデッカやCBSと多くの録音を残したけれど、特に好きなのは「シェエラザード」と「イタリアのハロルド」だ。
両方とも、マゼールの魅力が爆発している。
ことに今晩取り上げる「シェエラザード」は、あまり評判はよろしくないかもしれないけど、まったくユニークな演奏となっていて、ちょっと他に代えがたい。
スケールは、極小だ。
箱庭的小ささと言える。
カラヤンやオーマンディ、またはロストロポーヴィチの演奏が「森」だとしたら、この演奏は「盆栽」である。小さくまとまっていて、セコさすら感じる。
そのぶん、ディテイルにこだわっている。
どんなに速いパッセージでも、ひとつひとつの音が粒だっている。トランペットもヴァイオリンもシンバルも。
ことに終楽章における小太鼓の小技の切れ味といったら、この曲の演奏史上、もっとも活発なものなのじゃないだろうか(もちろん全部聴いたわけではないが)。
そういうところを聴いても、この演奏はロシア的匂いのあるものではない。メカニックを追求し尽した演奏である。
なので評判は良くない。でも、今の気分では、私的オーケストラ録音のベスト10に入るくらい、素晴らしくアウトサイダーな演奏である。

1977年、クリーヴランドでの録音。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます。

新タケノコ 美味しそうですね~
あく抜きに糠で茹でるんですよね
昔、母親がやっていたのを覚えています。
お刺身でも食べられるそうですよね
京都の桂の辺りでは、筍懐石を食べさせてくれるお店もあったと~。

吉田さんがここまで料理をされている写真
久しぶりですよね~ (^o^)
羨ましい限りです~。

マゼールの「シェエラザード」
いつものように未聴です、爆~。
極小のマゼールというのも、想像しぬくいのですが、何となく、あのマゼールなら極大も極小もどちらもやってくれるのではないかなって思いますね~。なにがしら、マゼールという指揮者は自分を出そうとしますよね、作曲をしているということも影響しているのでしょうか? 何かの記事で、作曲に専念したいと言っている記事を読んだことがあるのですが、マゼールの曲、一回も聴いたことがありません~。
これだか長く活動している指揮者も、今では少なくなりましたから、貴重な存在かもしれませんね~。

ミ(`w´)彡 
2008.04.30 Wed 04:21 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

たけのこがスーパーの店頭にあったのをみて、食べたくなりました。
下ごしらえが手間なうえに、皮をむくとだいぶ小さくなってしまうのには驚きました。
新鮮なたけのこは、刺身にできるそうですね。食べてみたいものです。
今度の週末に出ていれば、また違うレシピに挑戦したいと思います^^

マゼールの「シェエラザード」は、細かい部分に拘泥した結果、ちいさくまとまった仕上がりです。
精密機械のように正確で、オケもうまいのです。「シェエラザード」の録音は数多くありますが、この演奏はまったくユニークなものです。
仰るとおり、作曲をしているということも影響しているのかも知れませんね。作曲に専念したいと言っている記事、私も読みました。
その割には、彼の曲を聴いたことがありません。
CD、出ているのですかねー。
2008.04.30 19:28

無題 - sweetbrier

夜中にごめんください。
筍のあく抜きですか~、懐かしい。
私はもっぱら完成品をもらう立場でしたが(汗)。
ああ、天ぷらが食べたい。

私も「なんだかアウトサイダー?」と感じる演奏に遭遇することがあります。極小のシェエラザード、疾走しない幻想的序曲ロメオとジュリエットetc.
このシェエラザードで吉田さんが着目されたことを読んでいると、なにかしら教えられた気がします。
音楽と自分の頭、アクをそのままにするもよし、アクを抜いて何かをしみ込ませるもよし…アプローチはいろいろありそう。いずれ味わいの楽しみはずっと広がりそう(ナニガイイタインダカ?)
すみません。
2008.05.01 Thu 01:21 URL [ Edit ]

Re:sweetbrierさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

筍のあく抜きは、少々時間はかかりますが、意外に簡単でした。
天ぷら、いいですネ。
今週末に仕入れることができたら、天ぷらいってみます。

マゼールは、いつもわりとアウトサイダーっぽいです。
そんな彼も、近いうちに80歳。まったく円熟しません。
相変わらずアクの強い演奏をしてツッパッている姿がステキです。
いつもなにかやってくれるだろうと期待するのですが、たいてい裏切られます。そういうところも彼の「らしさ」であります。
今後も面白い存在であり続けてほしいものです。
2008.05.01 12:35

吉田さま、おはようございます - Yuniko

マゼールの「英雄の生涯」にコメントした直後です。
実はこの「シェエラザード」、初発売の頃から気になっている演奏なのですが、未聴です。1977年録音というと「幻想交響曲」「英雄の生涯」と同時期の録音。吉田さまの演奏評を読むと、やはり狂気じみた細かさ爆発といった演奏が予想され、ぜひ聴いてみたいです。Amazonの中古で探そう。
「幻想」「英雄の生涯(日本盤)」同様に、この演奏もジャケットがいいですね。ずっと気になっている演奏というのは、このジャケットが気になっているというのもあります。
2011.12.04 Sun 07:22 [ Edit ]

Re:Yunikoさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

いつもコメントをありがとうございます。
たしかに1977ですと「幻想」などと同じころですね。この演奏もマゼールの鋭角的な音感覚が全面に出ていて、ポキポキした感じがたまりません^^
DGでベルリン・フィルと入れた演奏もいいものだと思いますが、ふくよかな半面、神経質なところが薄いので、面白さではクリーヴランドをとりたいです。
この「シェエラザード」や「イタリアのハロルド」はLPでしか聴いていないので、CDの発売を首を長くして待っています。
ロンドンからも箱を出してもらいたいものですねえ。
2011.12.04 18:01
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