今年初ボジョレー。
近所のコンビニで一番安いものを買ったが、1790円。普段は600円のワインを喜んで飲んでいるので、例外的に高い。
というか、今まで買ったワインのなかでも最高価である。
これだけ出せば通常に売っているワインのそこそこいいものが買えるのだが、つい流行に乗ってしまった。
味は軽やかでぶどうの風味が濃厚。口当たりがいいのでぐいぐいいってしまう。話によれば今年はよい出来だというが、去年とくらべてどうこうはわからない。普段の600円よりはおいしいかなとも思うが、3杯目からは違いがわからない。
昨日にル・スコアール管弦楽団の演奏会へ行った。今回はシベリウスとショスタコーヴィチの交響曲をメインに据えたボリュームたっぷりのプログラム。
シベリウスの第4交響曲は好きな曲のひとつで、ひえびえとした清涼な空気を感じさせるところがこの季節にぴったりであるかもしれない。
いや夏もいいものだけど、これからの季節に聴くと外の温度と音楽のそれとが近いので、体感的に理解しやすくなるような気がする。
音楽を実際に舞台を観ながら聴いていると、どの楽器がどのタイミングで登場するのかが手に取るようにわかる。そうすると、指揮者の動きと楽器の発するところの連動感がいかに緊密なものかということをあらためて思い知らされるのだ。
この曲の4楽章は、拍子がやたらと変わることに加えて楽器間の推移が激しいため、ちょっとでも指示を間違えたらばらばらになってしまう音楽だ。それを指揮者は奇をてらわない几帳面で指揮でもって、綱渡りのようにうまくバランスをとっていた。まさに指揮者と奏者との丁丁発止のやりとりであり、ここは手に汗を握った。
ショスタコーヴィチの12番は深刻でありつつ賑やかな曲であるため、実際のところ作曲者がなにを考えて作ったのかわかりにくい曲である。実演を聴いてもその感触をぬぐうことはできなかったが、少なくともカタルシスを感じる音楽だ。
1楽章から終楽章まで延々と繰り返される革命のテーマがいろいろな楽器でうたわれていく。それがだんだんじわじわと体に沁みてくるので、まるで麻痺したような感覚になる。
舞台の後ろに陣取っている打楽器陣はほぼフル稼働、初回に大爆発をした打線は、最終回も容赦なくキッチリとトドメをぶちかます。
田部井剛はアンサンブルのコントロールをすることに徹した堅実な指揮ぶり。ことに音量のバランスは絶妙である。
2009年11月22日、すみだトリフォニーホール。
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