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田部井剛指揮ル・スコアール管弦楽団演奏会

2009.11.23 - 演奏会

bo

今年初ボジョレー。
近所のコンビニで一番安いものを買ったが、1790円。普段は600円のワインを喜んで飲んでいるので、例外的に高い。
というか、今まで買ったワインのなかでも最高価である。
これだけ出せば通常に売っているワインのそこそこいいものが買えるのだが、つい流行に乗ってしまった。
味は軽やかでぶどうの風味が濃厚。口当たりがいいのでぐいぐいいってしまう。話によれば今年はよい出来だというが、去年とくらべてどうこうはわからない。普段の600円よりはおいしいかなとも思うが、3杯目からは違いがわからない。


昨日にル・スコアール管弦楽団の演奏会へ行った。今回はシベリウスとショスタコーヴィチの交響曲をメインに据えたボリュームたっぷりのプログラム。
シベリウスの第4交響曲は好きな曲のひとつで、ひえびえとした清涼な空気を感じさせるところがこの季節にぴったりであるかもしれない。
いや夏もいいものだけど、これからの季節に聴くと外の温度と音楽のそれとが近いので、体感的に理解しやすくなるような気がする。
音楽を実際に舞台を観ながら聴いていると、どの楽器がどのタイミングで登場するのかが手に取るようにわかる。そうすると、指揮者の動きと楽器の発するところの連動感がいかに緊密なものかということをあらためて思い知らされるのだ。
この曲の4楽章は、拍子がやたらと変わることに加えて楽器間の推移が激しいため、ちょっとでも指示を間違えたらばらばらになってしまう音楽だ。それを指揮者は奇をてらわない几帳面で指揮でもって、綱渡りのようにうまくバランスをとっていた。まさに指揮者と奏者との丁丁発止のやりとりであり、ここは手に汗を握った。
ショスタコーヴィチの12番は深刻でありつつ賑やかな曲であるため、実際のところ作曲者がなにを考えて作ったのかわかりにくい曲である。実演を聴いてもその感触をぬぐうことはできなかったが、少なくともカタルシスを感じる音楽だ。
1楽章から終楽章まで延々と繰り返される革命のテーマがいろいろな楽器でうたわれていく。それがだんだんじわじわと体に沁みてくるので、まるで麻痺したような感覚になる。
舞台の後ろに陣取っている打楽器陣はほぼフル稼働、初回に大爆発をした打線は、最終回も容赦なくキッチリとトドメをぶちかます。
田部井剛はアンサンブルのコントロールをすることに徹した堅実な指揮ぶり。ことに音量のバランスは絶妙である。


2009年11月22日、すみだトリフォニーホール。

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Comment

無題 - neoros2019

>外の温度と音楽のそれとが近い
言いえて妙ですね
昨日よりムラヴィンスキーのショスタコ10番やベートーヴェン田園、バルシャイのショスタコ4番、8番を連続して聴いているのでその雰囲気はタイムリーに伝わってきます
2009.11.24 Tue 18:37 [ Edit ]

Re:neoros2019さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

いつもコメントをありがとうございます。

シベリウスの音楽のひんやりさは、これからの季節にうってつけであるように思います。ことに4番はよいのではないかと。
ムラヴィンスキーの10番は聴いたことがありません。「田園」(聴いたのは東京公演のライヴです)のように、贅肉のない厳しい演奏であろうことを想像します。
2009.11.25 12:42

無題 - yokochan

こんばんは。
出遅れコメントすいませんです。
こんなコンサートがあったのですか!
行きたかったです。
このオケ、いつもすごいのやりますね。
そしていつも日曜でなかなか行きづらいのが難点です。
2009.12.04 Fri 23:39 URL [ Edit ]

Re:yokochanさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

シベリウス4とショスタコ12、いずれもトリでもおかしくない重量級プログラムです。迫力にひいたのか、客の入りは半分弱程度でした。
アマチュアの方の団体なので、仕事の合間をぬっての練習は大変だったろうと想像に難くありません。このオケ、去年はウォルトンの1をやったんです。誰が演目を決めるのかわかりませんが、なかなかスゴイことだなあと。
ちょっと注目のオケですよ。
2009.12.05 10:14
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