
東京バレエ団の「くるみ割り人形」の公演に行く。演奏は、井田勝大指揮、東京シティ・フィル(2016年12月17日、東京文化会館大ホールにて)。
「チャイコフスキーが音楽をつけたバレエ。これを観るためだけでも生きる価値はある」
「くるみ割り人形」を観るのは、昨年の新国立バレエ団以来。クリスマスに思い入れは特にないものの、この音楽はいまの時期にぴったりだとは思う。
演出と振り付けは、オーソドックス。むやみに新味は求めていない。だからこそ、いつものクリスマスが訪れる、のかもしれない。透き通る幕を用いた、ほろほろとした映像のような幻想味のある舞台は素敵だった。
踊り手は、みんな素晴らしかった。2幕においての競演は、この舞台での最大の見どころのひとつだが、あまりにも楽しくて、いつも通り泣けた。
観衆は幼稚園児からおばあちゃんまでさまざま。チャイコフスキーの音楽は、それに応えるだけの天才がある。
そして、この広大な範囲の聴き手をどうねじふせるかは、指揮者の手腕である。
オーケストラは生真面目に、そしてほんのりとしたセンチメントをまぶした演奏。
縦の線をキッチリと合わせていたところは、マゼール時代のクリーヴランド管弦楽団を彷彿とさせた。好きなスタイルだ。
このオーケストラの、チューバとハープは名人。
クララ:川島麻実子
くるみ割り王子:秋元康臣
クララの父:森川茉央
クララの母:奈良春夏
兄フリッツ:吉川留衣
くるみ割り人形:高橋慈生
ピエロ:樋口祐輝
コロンビーヌ:中川美雪
ムーア人:井福俊太郎
ねずみの王様:永田雄大
ドロッセルマイヤー:柄本弾
他
パースのビッグムーン。
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