バッハ・イン・ザ・サブウェイ(@新丸ビル)を聴く。
ソリストは東京都交響楽団を中心とした顔ぶれ。
最初は無伴奏チェロ組曲1番(加藤陽子)。
オーソドックスなスタイルで悠々と余裕たっぷりに奏でていて、気持ちが安らいだ。1番は組曲のなかでは比較的技巧面では簡単だというものの、これだけ豊かにしっとりと響かせる技は尋常ではない。やっぱりプロオケのソリストはスゴいな〜。
2曲目は無伴奏ヴァイオリンパルティータ3番(竹原奈津)。
冒頭から切っ先が鋭い演奏。曲そのものは全体を通して明るいが、彼女のヴァイオリンからは命がけの勝負みたいな気迫を感じた。飲食店街のフロアで、まさかこんなものを聴けるとはたまげた。
最後はカンタータ51番(ソプラノ 梅園絵美子、トランペット 高橋敦、ヴァイオリン 山本友重・横山和加子、ヴィオラ 林康夫、チェロ 高橋純子、コントラバス 冨永八峰、チェンバロ 中鉢まどか)。
ソプラノは知性を感じる歌い回しで、とても落ち着いた雰囲気を醸し出していた。
弦のアンサンブルがとても濃密。厚い響きにグッときた。
トランペットは音量のバランスが難しいのだろうに、実に軽やか。
バッハに明るくないのでこの曲は初めて聴いた。媒体で聴いたらこの演奏には届かないだろうから、しばらく寝かせておく。
全体を通して、浮世離れしていて良かった。あの一角だけ周囲と隔絶した世界を作っていたので、通行人は驚いただろうな。
2016年3月21日、東京、新丸ビルの7階ロビーにて。
朝。
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