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アバドさん、ありがとう。

2014.01.22 - 日記

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クラウディオ・アバドが逝去したことは、昨日の朝日新聞の一面に取り上げられていたので知った。
この扱いは、ベルリン・フィルの音楽監督だったということの、ネーム・ヴァリューだろう。

彼にはいろいろお世話になった。

ことに、マーラーの交響曲の面白さを最初に教えてくれたのは、彼だった。シカゴ響との2番、6番。

その後、彼は順風満帆にキャリアを積み上げていった。ウイーン・フィル、ミラノ・スカラ座、ロンドン交響楽団、シカゴ交響楽団、ベルリン・フィル、ルツェルン祝祭管、等々。

実績を鑑みれば、間違いなく現代最高の指揮者であると言える。ステージ、レコーディングと活動も活発だった。

ただ、ベルリン・フィルの音楽監督になってから以降は、少し勢いが衰えたように思う。良く言えば節制を保った、悪く言えば手の抜きどころをわかってしまったような。
例えば、ベルリン・フィルとのマーラー「9番」。終楽章はとてもいいものだけれど、それまでの楽章は凡庸。
それは、体力の問題が大きかったのではあるまいか。

今となっては思う。

だから、アバドの全盛期は、ロンドン響の首席指揮者と、シカゴ響の首席客演指揮者時代だったのじゃないかと思う。
あの頃は、まさに脂が乗り切っていた。
素敵な指揮者だった。





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Comment

合掌…。 - アソー

お久しぶりです。
年明けからアバドの訃報、残念です。
私たちが中学生位で、クラシックを聴き始めた頃に若手として売り出していた人達が鬼籍に入るのは何だが寂しいですね。
当時諸井誠氏や吉田秀和氏の本もよく読みましたよ。
御説の通り、アバドは70年代後半のロンドン交響楽団の音楽監督だった頃が一番鮮烈でしたね。ストラヴィンスキー三部作なんか、あの秀逸なレコードジャケットと共に記憶が蘇って来ます。ベルリンフィルはカラヤンの後でやりにくかったのでは…。
ドヴォ8とチャイコの5番位しか印象がないですね。ベートーヴェン交響曲全集などは腰が軽くて、聴いた気がしませんでした。
ルツェルン祝祭管を再編してからは素晴らしかったみたいですが、あまり聴いていないのでこれから聴いてみようと思います。
今日はプロコフィエフのロメオとジュリエット抜粋を、昔のロンドン交響楽団の盤で聴いて追悼致しました。デビュー2枚目のレコードだったそうです。リズムのキレの良い演奏でした。
2014.01.23 Thu 23:20 [ Edit ]

悲しいですね。 - 管理人:芳野達司

アソーさん、こんばんは。
アバドは以前から体調が悪いとのことだったと聞いていたものの、やはり驚きました。
アソーさんが仰るように、我々が少年の頃に若手として出ていた音楽家が逝くのは悲しいですね。
アバドは70年代後半から80年代にかけてが最高でした。ロンドン交響楽団とのストラヴィンスキー三部作、バルトークの中国の役人、展覧会の絵、シカゴとのマーラー、ウイーンとやったザルツブルクでのマーラー「巨人」、スカラ座との「マクベス」。飛ぶ鳥を落とす勢いとは、ああいうことを指すのでしょう。
同時代のクライバーは確かに天才ですが、アバドのほうが精力的に活躍していた。そういう意味で、我々を楽しませてくれた人です。
本当にありがたいです。
2014.01.24 20:59

アバドさんのご冥福をお祈りいたします - Yuniko

お久しぶりです。
アバドの訃報は、新譜を探そうとのぞいたHMVのサイトで知りました。思わず「エッ?」と声を上げてしまいました。
私はアバドの熱心な聞き手とは言えませんでした。それでも・・・・
大学時代の友人が聴かせてくれたスカラ座とのヴェルディ「レクイエム」は、スカラ座管の明晰な音色と、真摯な音楽作りに打たれました。
社会人になって、ふと訪れたCD店で流れていた「ウィーン・モデルンⅠ」は、難解とされていた現代音楽の美しい響きに耳を奪われ、衝動買いをしました。
同じく社会人になってから前述の友人が視聴させてくれたウィーン国立歌劇場でのベルク「ヴォツェック」(LD)は、陰々滅々としたオペラを手に汗握り、息をつめて見ました(なぜかDVDが発売されていないのが残念です)。
アバドが2回指揮したウィーン・フィルのニューイヤーコンサートは、ポルカ・シュネルの生気あふれる響きが楽しく、愛聴しています(ワルツはイマイチ)。
やはり、すごい指揮者だったのだと素直に思っています。
ただ・・・・ベルリン・フィルの常任になってからは今一つだったように感じるのは、私も同じです。
昨年、最後に購入したCDが、その昔に発売されて購入できずにいたロンドン響とのムソルグスキー管弦楽曲集(「はげ山の一夜」原典版初録音の盤)で、もう一度じっくり聴いてみようと思っていた矢先の訃報でした。
アバドの思い出に、これもかつて感動していながら未だ購入していない前述のヴェルディ「レクイエム」(スカラ座とのもの)を購入しようと思っています。
クラウディオ・アバドさんのご冥福を、心からお祈りいたします。
2014.01.24 Fri 00:26 [ Edit ]

淋しいですね。 - 管理人:芳野達司

Yunikoさん、こんばんは。
私がクラシック音楽を聴き始めた当時は、アバドとメータ、小澤などが若手としてグングン勢いを増している時期でした。
クライバーやマゼールとは、少し括りが違うのですよね。あまり齢は変わらないのに。なんだか不思議です。
そんななか、アバドがグラモフォンと始めたマーラー・チクルスはとても印象的なものでした。シカゴとの「復活」、6番、5番あたりは、出た当初に図書館に行って漁っていました。シカゴの鮮烈な響きとアバドのしなやかな流れの音楽が、とても気に入りました。
スカラ座とのヴェルディ「レクイエム」は、いい演奏ですね。歌手は揃っているし、なにしろバランスがいい。
彼の生演奏を聴いたのは、ウイーンとの「ヴォツェック」のみです。先にLDを観てさんざん予習をしていたので、とても面白く聴けて、観ることができました。
あれは、一生忘れることができません。
2014.01.24 21:07

アバドのマーラー - astar

初めまして

中学時代にクラシックを聴き始め、アバドとカルロスに夢中になって・・・・という者です。

私が思うに、アバドはベルリン時代以前から、「自分がやりたい録音」と、「仕事として依頼された録音」の落差が大きいと思います。
特にベルリン時代は、マーラーを含めて、後者の比率が大きくなってしまったと思います。
シカゴとのマーラーは、明らかに「自分がやりたい録音」シリーズでしたね。すべて私の宝物です。
2014.02.02 Sun 09:46 URL [ Edit ]

astarさん、はじめまして。 - 管理人:芳野達司

こんにちは。

ワタシも中学時代には、アバドとカルロスに夢中になりました。ヒーローでしたね。
アバドはロンドン交響楽団の首席になった頃から聴き始めました。当時はお金がなかったので、図書館に入り浸ってLPを漁ったものです。

ベルリンの音楽監督以降は、ブラームスやベートーヴェンをしっかりこなさないといけないというような周囲からのプレッシャーがあったのかもしれません。本当に彼がやりたかったのは、マーラーとロッシーニとヴェルディ、そしてノーノなどの現代作曲家の音楽ではなかったか、と想像します。
2014.02.02 16:58
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