ラヴェル ヴァイオリン・ソナタ クリスチャン・テツラフ(Vn) レイフ・オヴェ・アンスネス(Pf)レンコン焼き。
調理法はじつに簡単。レンコンを切って、油を敷いたフライパンで焼くだけ。
塩をかけて食べる。
単純ながら、レンコンのサクサク感と香ばしさを楽しむことができる。
ビールにもよく合うこの料理はわが家でとても評判がいいので、このところ週末ごとに作っている。これはうまいよ。
日曜の午後、居間ではカミサンが大河ドラマの録画鑑賞のために占拠していたので、寝室で音楽を聴いた。
ここには、何年かまえの台湾出張時に購入したサンスイのミニコンポがある。中途半端に小さいので、台湾から自力で持ち帰ったものだ。音質はラジカセに毛が生えたようなものだが、たたみに置いてあるスピーカーに頭を向けて、寝転がって聴くとまあまあの音になる。
なんだかむしょうにヴァイオリンの音が聴きたくなったので、テツラフによるヴァイオリン曲集。
ヤナーチェクもドビュッシーもいいが、今日はとりわけラヴェルが心に染みた。
ラヴェルのヴァイオリン・ソナタは、どことなく「道化師の朝の歌」に似ていると思う。
冒頭のピアノによる雨だれのようにポツポツした和音、そしてたたみかけるようなエンディング。もっとも、似ているのは最初と最後だけのような気もする。だから、こんなことを思うのは私だけかもしれない。
2楽章はジャズのヴォーカルのようなちょっとくだけた味わい。このあたりはラヴェルらしい。
テツラフのヴァイオリンは、芯の太い堅実な演奏。ちょっとやそっと叩いてもびくともしないような堅牢なもの。フランスのソリストだったらば、もうちょっと崩してこ洒落たやり方をするのかもしれないが、これはこれでじゅうぶんに聴き応えがある。すごく生真面目なラヴェルだ。
アンスネスのピアノは、テツラフにぴったりと寄り添ったもの。どちらかといえば、こちらのほうにフランスの香りがあるかもしれない。几帳面であり、かつふんわりと幻想味のあるピアノ。
1994年6-7月、ブリストル、セント・ジョージ・ブランドン・ヒルでの録音。
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