
高関健指揮・群馬交響楽団の演奏で、マーラーの交響曲7番「夜の歌」を聴く(2007年3月10日、群馬ミュージック・センターでのライヴ録音)。
これは端正なフォルムをもった演奏。
全曲で74分強は速い部類で、クーベリックのセッション録音に近いが、アプローチは異なっている。
高関は、先日にライヴで聴いたベルリオーズの「ファウストの劫罰」もそうだったが、縦の線をきっちりと揃えて直線的な音楽を作ることを得意としているように感じている。
そういったスタイルを頑固に押し通すと、この曲のもつ多様性にフィットしないところがあるのだけれども、そこは柔軟に対応している。たとえば2つの「夜の歌」の楽章は、メロディーを歌わせるときに、じゅうぶんなタメをもたせて、ふくらみを持たせる。しなやかな淡いロマンが立ちのぼる。
3楽章スケルツォは一転して切っ先鋭い指揮。切れ味のよい響きで夜が輝く。
フィナーレはなかなか勢いがある。遅すぎず速すぎない、ちょうどいいテンポ。前の楽章との対比を考え、暴れている。ラストはかなり高揚し、拍手が入るとこちらもこみ上げるものがあった。
ヴァイオリンは対抗配置。
オーケストラはじゅうぶんにこの難曲に対応できている。個人技もほぼ問題ない。欲を言えば、5楽章の冒頭のラッパにもう少し勢いが欲しかったのと、全体的に潤いがあればもっとよかった。後者については、日本のオーケストラ全般に感じることだけれど。
駐車場。
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