忍者ブログ

バーンスタインのマーラー「交響曲第9番」

2010.02.07 - マーラー
ma

マーラー 第九 バーンスタイン指揮ベルリン・フィル


このコンビによるマーラーを聴くのは30年ぶり。FM放送で聴いて以来である。
70年代後半は、カラヤンとベルリンフィルの最盛期。嫉妬深かったとされるカラヤンが、例外的に大指揮者を立て続けに呼んだ異例の年だった。
ショルティとこのバーンスタインである。奇しくも両者ともマーラーを持ってきた。それぞれ2番と9番、指揮者の持ち味がじゅうぶんに発揮されそうな演目であり、当時の音楽界の事件であった。どちらも興奮して聞き入ったものだ。
それから30年、酸いも甘いも噛み分けた苦節の歳月を経て(笑)、その思い出の演奏は、いまどう聞こえるか。
意外に記憶は確かなもので、細部はほとんど覚えていなかったにも関わらず、全体のフォーマットというかスタイルは、思っていた通り。もっとも、この30年の間にイスラエルやコンセルトヘボウとの演奏を聴いていたということがあるからなのだろう。
当然かもしれないがあれらと似ている。いづれも激しい演奏である。激しいといった観点で順位をつけるならば、一位がイスラエル、二位がこれで、続くのがコンセルトヘボウといったところだ。うろ覚えだが。
とはいえ、このベルリンとの演奏、バーンスタインの粘りのある指揮ぶりとオーケストラの重厚さは、ディスクになったものとしては圧倒的といっていい。
ことに終楽章においてのめくるめく弦のうねり、その多彩さと厚み、そして縦横無尽さは、マーラーの録音では空前のものかもしれない。ベルリン・フィルの機動力がフィルターと通さず露わになっている感じ。
ただ、そんな突出した演奏にもかかわらず、いまひとつのめりこめないのは歳のせいだろうか。かなりの演奏であるが、どうにも絶倫すぎていささか疲れる。


1979年10月、ベルリン・フィルハーモニーでの録音

PR
   Comment(2)   TrackBack()    ▲ENTRY-TOP

Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます〜

カラヤンが嫉妬深かったと良く言われますが、ニルソンさんの「自伝」によると、バーンスタインも相当嫉妬部買ったそうですね、爆〜。「彼は、誰でも自分のおかげで上手く歌えるようになったと考える」と、ニルソンさんは語っておられます。ただ、ベームもそうだったそうですから、大指揮者は誰しもそうなのかもしれませんね〜。

マーラーの9番、イスラエル・フィルの来日公演、バーンスタインの指揮で聴きましたが、その演奏が私にとってはベストに近いです。あの演奏はすごかったです。

ベルリナー・フィルハーモニカーとの演奏、私も疲れます。すごい演奏だと思うのですが、ヴァルターとヴィーナー・フィルハーモニカーの演奏の方が落ち着きます。バーンスタインではニューヨーク・フィルとの演奏の方が、私は繰り返し聴ける演奏かもしれません。

しかし、この時代、綺羅星のように素晴らしい指揮者がいた時代ですね〜 今と比べると〜

ミ(`w´彡)
2010.02.08 Mon 06:19 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

バーンスタインも相当嫉妬ぶかかったですか。それはちょっと意外です。明るいヤンキーのイメージですが(それが間違っているかも)。
なかでは、ショルティは太っ腹な感じがします。ジュリーニを呼んだりバーンスタインに振らせたり。

イスラエル・フィルの来日公演、ワタシは確か9/8のNHKホールに行きました。すごい演奏としかいいようがありませんね。ライヴ録音など出ないほうがよいのかと。
ワルターもよいですね。バーンスタインNYPOはまだ聴いていません。
2010.02.09 12:49

無題 - neoros2019

今日、レコード芸術を立ち読みしていたらこの盤がユニヴァーサル広告欄に載っていました
数十年前だったかこのBPO対決セッションはFMで聴いて大層感心した覚えがあります
購入リストにも一時期入れておいた記憶があります
コンセルトヘボウを所有していましたがそれも処分してしまいすっかり忘れていましたね
マーラー9に関してはノスタルジックな過去を仰ぎ見るようなバルビローリを取り出すか否かのような状態に陥っています
2010.02.08 Mon 20:39 [ Edit ]

Re:neoros2019さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

ワタシもこの演奏をFMで聴きました。エアチェックもしたはずなのですが、どっかに埋もれてしまいずっと聴いていませんでした。
今回1枚ものの廉価で再発売されたのでようやく購入しました。
ベルリンの弦、激しいですね。
レコードとして繰り返し聴くにはバルビローリやジュリーニ、アンチェルなどの演奏が向いているように思います。
2010.02.09 12:52
コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。

TrackBack

この記事へのトラックバック
TrackBackURL
  →
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新コメント
カッチェン、フロマン、ブラームス"ピアノ協奏曲2番" from:Yoshimi
-11/16(Thu) -
フルニエ、フィルクスニー、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-03/18(Sat) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-02/20(Mon) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:“スケルツォ倶楽部”発起人
-02/20(Mon) -
古典四重奏団、ベートーヴェン、15,13"大フーガ" from:老究の散策クラシック限定篇
-10/30(Sun) -
最新TB
カテゴリー