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C・デイヴィスのホルスト「惑星」

2010.06.26 - ホルスト

ho

コリン・デイヴィス指揮ベルリン・フィル、ベルリン放送女声合唱団


万城目学の「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」を読む。
これは、小学1年生のかのこちゃんとマドレーヌ(猫)と玄三郎(犬)、そしてすずちゃん(人間)たちがおりなす出会いと別れのお話。
かのこちゃんが実にみずみずしく描かれている。親指を鼻の穴につっこんでヒラヒラさせる友達を見て「こいつはできる」と思って近づいたり、難しいことばをいくついえるか競争したり、近所のお祭りではしゃいだり。世の中はちょっとした刺激に満ちあふれていていつも新鮮なのである。
こんなときがあったなあ(遠い目)。

ワタシよりでかい図体を横たえて、ハナクソをほじりつつケータイをいじっている息子をみると、かのこちゃんのような娘だったら欲しかったなあとつらつら思うのだった。


コリン・デイヴィスの初「惑星」、録音は1988年。
ベルリンにはまだカラヤンがいたから、なにしろパワフルである。腕は立つがアクも強い。オーケストラの技術と勢いがすごいから、凡庸な指揮者が務めてもそれなりの演奏ができてしまうが、カラヤン以外の指揮者がリードをすると、パワーが抑制されず本能の赴くままにブチまけられることが多かった。それはそれで面白いところもあるものの、指揮者のやりたいことが伝わってこないところが、いまひとつ腑に落ちないこともある。
デイヴィスは、そこのところをキチンと踏まえて、抑えるべきところを抑えている。スキあらば荒れ狂うベルリン・フィルの精力を注意深く抑え込んで、オレ流のベクトルに合わせていく。デイヴィスの手にかかるとベルリン・フィルもロンドンのオーケストラと遜色がない。
そういってしまうと誉めてるのか貶しているのか、よくわからないようにきこえてしまうかもしれないが、要は指揮者の統率力が一貫していることをいいたいノダ。
「土星」はそんな指揮者の方向とオケの気合いがバッチリ溶け合った演奏だと思う。重心を低くして迫るオーケストラに対して、ひとつひとつの糸を丁寧に編み込むような、繊細で柔和なアプローチが絶妙な味わいを醸し出している。
「海王星」の合唱は、少しザラついている。


1988年11月9-13日、ベルリン、フィルハーモニー・ホールでの録音。

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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます〜

万場目さんの本 検索しました。
「鹿男」「ホルモー」の作者さんだったんですね
鼻くそをほじりながら、手を振っている少女はカワイイ感じがしますが、男子はどうでしょうか、爆〜。
親父さんのお気持ち、お察しいたします。

ディヴィスという指揮者、昔から聴いているのですよ、オペラが中心ですが〜。イマイチ良く分かりません。カラヤン時代のベルリンとも録音して要るんですね〜。「惑星」カラヤン盤、オーマンディ師盤くらいしか聴いたことがないですね〜

「かのこちゃん」良さそうですね〜
ミ(`w´彡)
2010.06.28 Mon 09:35 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

そうそう、「鹿男」の万城目さんの本です。
もう新刊ではないのに、近所の文教堂には平積みで置いています。せっかくなのでその店で買いました。本の扱いは書店によって違うものですね。

鼻くその彼は、今はパンツに手を入れてケータイいじっています(笑)。

ディヴィスという指揮者、いまひとつとらえにくいですよね。ワタシがクラシックを聴き始めたころは、ロンドン響とのベートーヴェンチクルスが進行中でしたが、なかなか変わった演奏だったことを記憶します。
2010.06.28 21:15
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