ホルスト「惑星」 マゼール指揮フランス国立管弦楽団堀江貴文の「人生論」を読む。ホリエモンは、才能と元気がありすぎて、足を踏み外したり掬われたりしたヒトだという印象があったのだけれども、これを読んで再認識した。
2010年の出版だから、拘置所を出てから書かれたものだ。最初のあたりは、ちょっと反省めいたことを書いているが、だんだんと興が乗ってきて、ライブドア事件のことなどあったっけ? なんて感じに勇ましくなってくる。
洞察力も鋭い。たとえば、小中学校の教師が世間からズレている理由を記述している部分だ。
「子どものころの教育は、先生や親がするものだ。ところが、実は先生や親は、彼らを教育した人の思想を受け継いでいる。そのため、時代からワンクール古いのだ」。
卓見である。
終りのほうに書かれているベーシック・インカムに関する考えも面白い。年金の財政難などを考慮すると、検討に値するような気がする。
彼は今、宇宙開発に興味をもっているらしい。具体的にどのように関わっていくのかまだわからないけれども、賢くて高飛車で元気な彼の話を、またきいてみたいと思う。
マゼール箱からホルスト「惑星」を聴く。
70年代後半から80年代初頭に、矢継ぎ早に出た「惑星」演奏のひとつ。
マリナー/コンセルトヘボウ、ショルティ/ロンドン・フィル、カラヤン/ベルリン、ボールト/ロンドン・フィル、小澤/ボストン・・・、これくらいだったかな。
そのなかでも、このマゼール盤は、ジャケットのセンスを含めて評判がよかったように思う。いま改めて聴いてみると、音質はなかなかいいし、演奏も古びていない。フランス国立管はよく鳴っていて、ソロもうまい。
どの星も演奏のレベルが高いが、天王星はとくにスゴい。
ティンパニの強打とオルガンのグリッサンドの場面はあまりに強烈で、一瞬何が起こったのかわからなくなった。めまいがするような音響の洪水、これは快感!
マゼールのアクの強さがここに集約されているようだ。
1981年、パリ104スタジオでの録音。
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