忍者ブログ

"村上ラヂオ2"、ロット、プーランク"歌曲集"

2014.01.02 - プーランク


ma




村上春樹の「村上ラヂオ2:おおきなかぶ、むずかしいアボカド 」を読む。

これは、村上が10年ぶりに「anan」に連載したエッセイの文庫版。
ところどころ出てくるうんちくが面白い。シーザーズ・サラダの語源について、ビートルズのプロデューサーが書いた彼らの伝記について、昔ジャイアンツにいたデイヴ・ジョンソンのコメントについて、ジョルジュ・シムノンがセックス中毒だったことについて、等々。
こういうのを読むと、丸谷才一を思いおこす。彼は言うまでもなく、エッセイの名手であった。彼ほど、話題を深く掘り下げているわけではないけれど、逆に軽い味わいが村上にはある。
定期的に書いてほしいものだ。








ロットの歌で、プーランクの歌曲を聴く。

半音階のメロディーに乗って、美しいフランス語が飛翔する。ロットの声は、ときには羽毛の軽やかさ、ときには濃厚な官能性を発揮する。

プーランクは、アカデミックな教育を嫌い、すべてをプライベート・レッスンで音楽を学んだとされている。
母が弾くロマン派の音楽、街で耳にするシャンソン、コンサートで聴いたドビュッシーやストラヴィンスキー。それらを吸収して、自らの音楽を「素敵で悪趣味な音楽」を言った。

アポリネールの詩による「モンパルナス」は、3分強の歌だが、作曲に4年を要した。都会の深夜の湿った空気が纏うような、幻想的で深い歌である。



フェリシティ・ロット(S)
パスカル・ロジェ(Pf)
 

1996年2月、スイスでの録音。








ma

 
バカンス。










PR
   Comment(1)    ▲ENTRY-TOP

Comment

プーランク歌曲 - yoshimi

新年おめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

プーランクといえば、いつも村上春樹の「日曜日の朝のフランシス・プーランク」という評論を思い出します。
そのわりに、内容があまり記憶にないので、ようやく今日読み直すと、プーランクをよく聴くようになったせいか、以前よりもなるほどと思えることが多くなってました。

歌曲の大半は、若い頃に書かれたもので、プーランクにとって「歌曲という形態は若き日のためのものだ。それは生命の生のほとばしりなのだ」そうです。

「モンパルナス」(と「C」)はとても美しい曲ですね。
プーランクの一番有名な歌曲は「愛の小径」なのでしょうが、ああいう甘いシャンソン風の曲があるかと思うと、「Hyde Park」や「Fetes galantes」は軽妙でコミカルだったり、作風が変幻自在なのは、プーランクの溢れる才気のほとばしりなのでしょう。
2014.01.07 Tue 01:37 URL [ Edit ]

そうでしたか。 - 管理人:芳野達司

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

「日曜日の朝のフランシス・プーランク」、ワタシもときどき思い出します。ホロヴィッツに関する演奏評がスゴイやつですね。あれを読むと、普段思い描いているプーランクのイメージとちょっと異なる感じがします。
「歌曲という形態は若き日のためのものだ。それは生命の生のほとばしりなのだ」、なるほど。シューベルトの白鳥の歌ですら31歳の作品ですものね。まあ、シューベルトばかりを例にあげるのは如何なものかとも思いますが、プーランクの言わんとするところは、なんとなくわからなくもないですね。
プーランクの歌曲をまとめて聴くのは、このロット盤が初めてです。鼻に抜けるような歌声がステキです。
2014.01.07 20:49
コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新コメント
カッチェン、フロマン、ブラームス"ピアノ協奏曲2番" from:Yoshimi
-11/16(Thu) -
フルニエ、フィルクスニー、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-03/18(Sat) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-02/20(Mon) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:“スケルツォ倶楽部”発起人
-02/20(Mon) -
古典四重奏団、ベートーヴェン、15,13"大フーガ" from:老究の散策クラシック限定篇
-10/30(Sun) -
最新TB
カテゴリー