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"42"、キーシン、プロコフィエフ"2番"

2013.11.17 - プロコフィエフ


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錦糸町楽天シネマズでブライアン・ヘルゲランド監督の「42」を観る。

これは、メジャー全球団共通の永久欠番になっている、42番をつけた黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの半生を描いた作品。

当時(1940年代)は人種差別が今よりも激しかった。便所などは、白人用と有色人種用にわかれていた。そんななか、ブルックリン・ドジャーズのオーナーが黒人選手を受け入れる決断をし、ロビンソンに白羽の矢が立つ。
さまざまな嫌がらせを受けながら、一部の支援を受けて最後に勝利するお話は、いかにも予定調和的。

この映画の見所は、ロビンソンを演じたチャドウィック・ボーズマンのバッティング・フォーム。美しく、とてもリアル。メジャーリーガーを演じて恥じないフォームなのである。ボールを打つ音もいい。

ハリソン・フォードがオーナーを演じている。久々に彼をみたが、年相応と言うべきか。老人役がぴったりくるようになってしまったのだな。



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キーシンのピアノで、プロコフィエフのピアノ協奏曲2番を聴く。

この曲は、プロコフィエフがペテルブルク音楽院在学中に書かれた。作曲者自身のピアノで初演されたが、評判は芳しくなかった。ところが、翌年にディアギレフの前でこの曲を弾き、才能を認められてバレエ音楽を依頼された、という逸話がある。ころんでもただでは起きない。
なおこの曲は、ロシア革命のドタバタで楽譜が紛失してしまっている。こんにち弾かれているのは、1923年にプロコフィエフが記憶を頼りに再作成したバージョンである。

キーシンのピアノはここでも好調。かなりのテクニックを要するであろうこの曲を、すんなりと弾いている。音の粒がピシっと立つ。ジャズ風に少しくだけた個所のメリハリ感もとてもいい。

アシュケナージのオケも負けていない。色彩鮮やかで切れ味がいい。自身は1970年代にプレヴィンの指揮でこの曲を演奏しているだけあって、熟知しているのだろう。ピアノにぴったりと寄り添っている。
ピアノ、オケともども、ラストの追い込みが見事。
爽快な演奏。


エフゲニー・キーシン(ピアノ)
ウラディミール・アシュケナージ指揮 フィルハーモニア管弦楽団


2008年1月、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのライヴ録音。










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鴨のなかの黒鳥。















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Comment

プロコフィエフの第2番 - yoshimi

こんにちは。
プロコフィエフの第2番は、第3番よりも人気はないようですが、ピアニストの解釈の違った演奏がいろいろ聴けるという点では、ずっと面白い曲だと思います。
私は第2番の方が好きですし、特に第1楽章の長大なカデンツァは圧巻ですね。

好きな演奏はレーゼルとトラーゼのスタジオ録音で、それぞれ個性的な演奏です。
レーゼルは陰鬱で峻厳で切れ味鋭い日本刀みたいな凄みがあり、トラーゼの解釈では、この曲は若くして亡くなった親友との思い出を回想したもので、感情移入が深く情感が濃厚なトラーゼの演奏を聞いていると、その解釈通りに思えてきます。

キーシンは、そういう強い癖のある解釈ではないですが、洗練された美しい叙情感と切れ味のよいテクニックで聴きやすいです。快速な第2楽章はとても鮮やかですね。
(やや不調だった?)ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集の次にリリースしたCDなので、復調した感じがしました。
ユジャ・ワンも最近CDを出しているので、ちょっと興味があります。



2013.11.23 Sat 10:30 URL [ Edit ]

たぶん初めて聴きました。。 - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんにちは。

プロコフィエフはあまり聴いてこなかった作曲家のひとりです。若いころにヴァイオリン協奏曲やヴァイオリンソナタを聴いていましたが、独特の軽みがなじまなかったことが原因かもしれません。
ですが最近になって、リヒテルの5番、そしてキーシンの2,3番のコンチェルトを聴いて、なかなか面白いと思いました。

レーゼルとトラーゼ。レーゼルはドイツものが得意というイメージがあったので意外です。
トラーゼのピアノは聴いたことがないかもしれません。

キーシンのレパートリーは広いですね。今年になってぼちぼち聴き始めましたが、まだまだです。今度はまた違う作曲家を聴いてみようと思います。
2013.11.23 14:13
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