ソロモン名演集徳永雄一郎の「ストレスとうつ」を読む。
うつ症状あるいはうつ病についての基本的な知識が端的に書かれているため、うつについて知りたいときはこの本を読むといい。
うつの治療の基本は「休む」ことだといわれているが、近所を日中ぶらぶらしていると世間体が悪いから入院したほうがよい、とはまことに現実的な意見であり、うなづける。
じっさい、インターネットやテレビや読書を控えろといわれたら、することがかなり限定されるから、家にいても退屈で仕方がないわけだ。
そう考えると、入院が一番手っとり早い治療なのだろう。
卓見かもしれない。
ソロモンが弾くブラームスのピアノ協奏曲第1番を聴く。
いままでソロモンというピアニストをベートーヴェンの後期のソナタでしか知らなかったので、この演奏はかねがね興味があった。指揮がクーベリックというのもそそられる。
ソロモンの音は太くてがっちりしている。がっちりしていて、色気がない。剛直というか、男気があるというか。ふっとしたセンスのあるニュアンスもどちらかと言えば男くさい。こういうピアノもたまにはいい。ブラームスのこの曲に合っていなくもないような気もする。
フィルハーモニア管を指揮するクーベリックもまた骨太である。お互いわりとそっけない。男気である。
3楽章のラストでぐいぐい速度をあげていくところはなかなかの迫力である。
1952年の録音。
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