フォーレ「ピアノ四重奏曲第1番」 ボザール・トリオ以前から「寝ている間に呼吸が止まっていることがある」とのツッコミを受けていた。それをたまたま主治医の先生に話してみたら、無呼吸症候群かもよ? と脅されたので、近くの呼吸器科で検診を受けた。
簡単な問診のあと「じゃあ、とりあえず一晩お泊りしてみる?」とのこと。なんだかよくわからないが、まあ怪しいのなら検査してみるかということで、一泊入院することにした。
無呼吸症候群(SAS)は肥満体やアゴの小さいヒトがなりやすいとのことで、ワタシは後者の部類になるらしい。
実際に眠っているところのデータをとって解析し、睡眠状態が正常値にあるかどうかを判定するわけだ。
当日は、体中に電極をつけられ、顔の部分はズレないようにガーゼを被せられミイラ状態。写メをして、ひとりほくそ笑んでいるうちに就寝となり、検査開始。
眠薬を飲んだとはいえ9時に寝るのはいかにも早かった。それに加えて、体中に張り巡らされたコードが気になって、結局朝まであまり眠れなかった。夢は10編ばかり見ただろうか。
後日に出た検査結果はクロ。1時間に10秒以上の無呼吸状態が30回あるとのデータで、これは重症の一歩手前だそうだ。
担当医曰く「回数が多いと血液に酸素が送られないから、いろいろな病気になりやすいんだよ。あんたは若いからまだ死ぬわけにはいかないじゃろ、ホーホッホ」。
というわけで治療を始めたわけだが・・・。
続きはまた。
そんなことをよそに、ボザール・トリオによるフォーレ「ピアノ四重奏曲第1番」を聴く。
フォーレの後期の作品はいまだによくわからないというか、面白いと感じられないのだが、比較的若いころ(1879年、34歳)に作曲された四重奏曲は楽しい。
ずっしりと憂愁を帯びた雰囲気で始まる音楽は、やさしく甘いメロディーと、とろけるようなハーモニーがおいしい。
丸くてしっとりしたピアノを基調に、朝露の湿り気を思わせるような弦がからむ。プレスラーという人を、このトリオでしか聴いたことがないが、音色といいリードの巧みさといい、かなりレベルの高いピアニストだと思う。
歌曲の伴奏なんかやっても、素晴らしいのじゃないかな。聴いてみたい。
ボザール・トリオ
メナヘム・プレスラー(Pf)
イシドア・コーエン(Vn)
ピーター・ワイリー(Vc)
キム・カシュカシアン(Va)
1988年5月、イギリスでの録音。
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