忍者ブログ

ペライアのバッハ「ゴルトベルク変奏曲」

2008.03.14 - バッハ
bach

バッハ「ゴルトベルク変奏曲」 マレイ・ペライア(Pf)


「ゴルトベルク」のピアノ演奏では、グールドの新旧版が最も有名だし、しかも優れている。
これは世間では長年揺るぎないものであると同時に、実際に私もグールドの演奏を、どれほど楽しんだかわからない。
ピアノの演奏では、いや、チェンバロを含めても、「ゴルトベルク」の最高峰はグールドであるといっても過言ではないだろう。
ひとつの曲に、そういう演奏があると、その曲に挑む演奏家は、かなりプレッシャーなのではないかと思う。どう演奏したって、その演奏家と比べられてしまうのだから。
逆に、そのほうがいい緊張感を生むことも考えられる。演奏を比較されることで自分のスタイルが浮き彫りにされるからだ。
福永陽一郎は、レコードの時代を「演奏の時代」と言ったけれども、自宅に居ながらにしてひとつの曲の、さまざまな演奏を聴き比べられるということは、音楽の聴き方の革命というか、聴き方のひとつの方向性を決定づけたものなのだと思う。

などと大風呂敷を広げてみたが、なんのことはない、演奏を聴き比べるということは、単に楽しいからなのだ。

ペライアが「ゴルトベルク」を録音するにあたって、グールドを意識していないわけはないだろう。
時代は違えど同じレーベルだし。
彼の演奏は、グールドに比べると、ずっと柔らかい。装飾音のつけかたはグールドより多くて、音と音との繋ぎはとてもなめらか。
ピアノという楽器の現代的というか機能的な側面をじゅうぶんに発揮させた、重厚で色彩的な演奏になっている。
繰り返しを行っているため、全曲で70分を超える。一曲で一晩のプログラムをこなせるだろう。これがCD1枚なのだからおトク感はある。
でもそれ以上に、やっぱり、現代楽器での壮麗な音の濃厚さというものが、この演奏においての特長だろう。
全体を聴いて、長さを感じるのは、繰り返しの多さだけではなくて、ひとつひとつの変奏が、わりと無変化に単調に聴こえるからかもしれない。それは、あくまでグールドに比べれば、ということなのだけれど。

2000年7月、スイスでの録音。
PR
   Comment(3)   TrackBack(0)    ▲ENTRY-TOP

Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます
いつも、ブログの更新を愉しみに待っています~

バッハ 偉大なる作曲家だと、ようやく気づきかけています。遅いぞ、とお叱りの声もあるかもしれませんが~。

「ゴルトベルク」は、グールドの演奏が超有名ですよね、あれほど有名になってしまうと、他のピアニストにとっては、相当のプレッシャーになるでしょうね~。ホロヴィッツやルビンシュタインの演奏を真似しようと思うピアニストいないと思います、ありゃ、別だと思うのでは?

ですが、グールドの演奏 エポックメイキングな演奏ですよね(大昔に聴いただけで、最近は聴いていないのですが)。あれを聴いてしますと、ピアニストは、ムムム~となってしまうのではないかなって思います。

ペライアの演奏、昔、モツアルトのコンチェルトは聴いたことがあるのですが、CDは一枚も持っていません、爆~。

いつも、いつも、聴かずにコメント
申し訳ございません m(_ _)m

ミ(`w´)彡 
2008.03.15 Sat 06:10 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

バッハ偉大ですよね。っていっても、そんなに聴く回数は多くないです。私にわかるのは、他の作曲家とは違う立派さ、雰囲気がある、ということくらいでしょうか。

「ゴルトベルク」といえばグールドというくらいに定着しているので、他のピアニストはやりづらいだろうし、逆に挑戦したくなるのかもしれません。
いまさらですが、グールドの演奏は相当よくて、何度聴いても飽きません。

ペライアの演奏も、発売当初に話題になった録音で、これはグールドと違い(やはりくらべてしまいます)、柔らかな肌触りの演奏です。

とはいうものの、私もこのピアニストをあまり聴いていないので、どういうスタイルのヒトなのかいまひとつわかりません。機会あれば聴いてみたいですねー。
2008.03.15 09:22

無題 - bitoku

吉田さん、おはようございます。

このCDは聴いたことがありません。
って言うかペライアのCD自体聴いたことがないです。(笑)

ゴールドベルクはグールド盤以外にロシアのニコラーエワという女流ピアニストのCDを昔持っていましたが、なんと2枚組でした!
繰り返しを全部行うとそうなるの?と思いつつ、長くて最後まで通して聴けなかったです。(苦笑)

私の大好きなリヒテルが”繰り返しをカットするのはバッハを本当に愛していないからだ!”という発言もあり複雑な心境ですが、やっぱり人生50年、太く短くのグールドの2枚を超えるのが見つからない!

ところでゼルキンのゴールドベルクを演奏しているCDってないかしら???
勿論オヤジさんの方のゼルキンです。(笑)

2008.03.15 Sat 08:06 URL [ Edit ]

Re:bitokuさん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

ペライアの演奏、全部かどうかわかりませんでしたが、繰り返しをしているので73分程度の長さです。
テンポは、グールドのものよりも若干遅めで、アクセントは厳しくないのでききやすいです。

ニコラーエワはCDで2枚ですか! LPならまだしも…。それは長い演奏です。彼女もバッハを得意としていますね。

>私の大好きなリヒテルが”繰り返しをカットするのはバッハを本当に愛していないからだ!”

ですねー。リヒテルが「ゴルトベルク」を残さなかったのはかえすがえすも残念です。

>太く短くのグールドの2枚を超えるのが見つからない!
同感です。幸か不幸かみつかりません…。

ゼルキンのゴールドベルク、見たことないですねー。あれば迷いなく買っちゃいますね!
息子のは、繰り返しのない端正な演奏です。
2008.03.15 09:37

無題 - 木曽のあばら屋

こんにちは。
ペライアのゴールドベルク、持ってます。
いい演奏だと思います。
ピアノで弾いた正統派ゴールドベルクという感じです。

でもゴールドベルクはやっぱりチェンバロのほうが好きです。
2008.03.16 Sun 16:28 URL [ Edit ]

Re:木曽のあばら屋さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

ペライアのゴールドベルクは、柔らかな響きに反復を繰り返したもので、じっくりと時間をかけて正面から向き合ったいい演奏だと思います。
ゴールドベルクはピアノとチェンバロのどちらがよいか迷うところです。チェンバロではレオンハルトやリヒターのライヴがありますし、ピアノではグールドの新旧盤が強烈です。
昨日にグールドの旧盤を改めて聴きましたが、今聴いても新鮮なオドロキがありました。
2008.03.17 21:31
コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。

TrackBack

この記事へのトラックバック
TrackBackURL
  →
カレンダー
11 2017/12 01
S M T W T F S
1
3 5 6 7 9
11 12 13 14 15
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
カテゴリー