忍者ブログ

ティルソン・トーマスのチャイコフスキー「冬の日の幻想」

2006.11.23 - チャイコフスキー
T・トーマス

ティルソン・トーマス指揮ボストン交響楽団/チャイコフスキー交響曲第1番


久しぶりにLPを聴いてみた。
そのほとんどは実家のどこかに埋もれているのだが、手元に十数枚だけある。その中の一枚が、このチャイコフスキーの交響曲第1番。
いざレコードを取り出してみると、盤面にだいぶ埃がたまっていたが、クリーナーがないので、そのままプレイヤーにかけてみる。すると、左のスピーカーから音が出ない。アンプの裏に手を伸ばして、コードの結合部分をぐりぐりしていたら、両方から聴こえるようになった。接触が悪かったよう。音が出てみると、このパチパチ音が懐かしい。しばらく聴いていくと、だんだんパチパチ音が激しくなってくる。それに追い討ちをかけるように、音にひずみが…。針の部分にたまっていた埃がつららのように溜まっているのである。途中でアームをあげて埃を指でつまみ、再発進。しかし数分すると同じように針につららができてゆく。片面が終わるまでこの繰り返し。忙しい音楽鑑賞である。
たまにはLPを聴くのもいいが、メンテナンスが大変である。いままで全然してこなかったのでこの有様である。レコードを最低限マトモに聴くには、レコード・クリーナー、そして針もしくはカートリッジの取替えが必要であるナ。
音の良さでLPレコードを愛聴するヒトは少なくないようだが、マメでないとなかなかうまくゆかなさそう。レコード・クリーナーなんてものも、どこにでも手に入るものではなさそうだし。
私のような無精者には、やはりCDのほうが無難であることを痛感した。
LPのジャケットの美しさと雰囲気は格別なものではあるけれど。

「冬の日の幻想」は、ティルソン・トーマスのデビュー盤といわれている。録音当時25歳。
その後は、彼のチャイコフスキーの交響曲の録音はあまりなく(「マンフレッド交響曲」があったような?)、「若い頃の」という括弧をつけなくとも、貴重な録音といえる。
演奏は筋肉質でしまった音色で淡々と進んでゆく。冬の、身が引き締まるような寒さと、暖炉のある部屋でウォッカを一杯やっているようなメランコリックな気分が醸し出されている。
CDを買っちゃおうかな。



★音楽blogランキング!

★にほんブログ村 クラシックブログ




無料メルマガ『究極の娯楽 -古典音楽の毒と薬-』 読者登録フォーム
メールアドレスを入力してボタンを押すと登録できます。




登録フォーム



解除フォーム




PR
   Comment(4)   TrackBack()    ▲ENTRY-TOP

Comment

無題 - ピースうさぎ

「冬の日の幻想」ですが、最近はじめて聴きました。
チャイコフスキーの交響曲は4番以降しか知らなかったのですが、先日マルケヴィチ指揮ロンドン響の演奏で第2番とのカップリングで入手して聴きました。
いい曲ですねえ。悲愴より何度も聴けて楽しいです。
30過ぎて新曲を聴く喜びを味わえた瞬間でした。
2006.11.23 Thu 19:08 URL [ Edit ]

Re:ピースうさぎさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

マルケヴィチとロンドン響の演奏もいいですね。最近、DGから再発売されました。
この曲は若い頃の作品なので、どこか垢抜けないところもありますが、それを補ってあまりあるメロディーの美しさ! 私も「冬の日の幻想」は好きです。
年に数回、大事に聴いています。
2006.11.23 22:13

無題 - garjyu

こんばんは。CD持ってます。愛聴盤です。
過去記事TBさせていただけますれば。

garjyu
2006.11.23 Thu 19:21 URL [ Edit ]

Re:garjyuさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

TBありがとうございます。
「第2楽章 陰気な土地」、確かに陰気には聴こえませんね。逆に、浮き立つような気がしないでもありません。それにしても曲がいいわりには録音に恵まれていないなかで、この録音は貴重です。
2006.11.23 22:18

無題 - mozart1889

吉田さん、今晩は。
懐かしいLPですね。同じLP持ってます。
グラモフォン・スペシャル1300円盤ですね。
あの頃、DGはスペシャルが1300円、レゾナンスが1500円でした。
マイケル・ティルソン・トーマスの若き名演。僕も久しぶりに取り出してみようかと思います。
針の掃除を十分にして・・・・・。
2006.11.23 Thu 20:28 URL [ Edit ]

Re:mozart1889さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

同じLPをお持ちですか! この1300円シリーズにはけっこうお世話になりました。レゾナンスのほうがアーティストは豪華でした。それが200円の差だと思っていました(笑)。
私にとってLPは、少し気合を入れないと聴けないものになっていますが、ジャケットの具合がCDに比べて贅沢品であることを感じられて嬉しいのです。
2006.11.23 22:22

無題 - rudolf2006

吉田さま
いつもコメント、ありがとうございます。
「冬の日の幻想」良い曲ですよね、この演奏は知りませんでした。オーマンディ・フィラデルフィアを聴きます。二番、三番も良い曲ですよね~。
2006.11.25 Sat 15:48 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

「冬の日の幻想」は良いですねー。聴くのがもったいないというくらい、全編に渡っていいメロディーが満載です。
あまり演奏されないのが、却ってありがたみがあるのかも知れません。
オーマンディ。まだ聴いたことがないです。是非聴きたいですね。
2006.11.25 21:37
コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。

TrackBack

この記事へのトラックバック
TrackBackURL
  →
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新コメント
カッチェン、フロマン、ブラームス"ピアノ協奏曲2番" from:Yoshimi
-11/16(Thu) -
フルニエ、フィルクスニー、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-03/18(Sat) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-02/20(Mon) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:“スケルツォ倶楽部”発起人
-02/20(Mon) -
古典四重奏団、ベートーヴェン、15,13"大フーガ" from:老究の散策クラシック限定篇
-10/30(Sun) -
最新TB
カテゴリー