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アンセルメのシューマン「交響曲第2番」

2010.04.10 - シューマン

sc

アンセルメのシューマン


例によって、今週に読んだ本の感想を書こうと思ったが、「悩みのるつぼ」の相談があまりにも面白かったので紹介したい。
相談者は50代の主婦。

「私の夫はこの35年間に3回の不倫をしました。」
-中略‐
「今回の相手は人妻で、夫と別れたとたん、私に無言電話で嫌がらせをするような性悪な女でした。」
-中略‐
「それで、私はどうにかして夫に復讐してやろうと思っています。『悪かった』と心底思わせたいのです。」
「とりあえず、お弁当のおにぎりの塩味を濃くしてみましたが、塩分の取りすぎで病気をされたら看病するのは私だし、これではダメだ、と思います。なにかいい復讐方法があったら教えてください。」

回答者は相談者をかわいい奥さんと言っているが、まったく同感。彼女は、全国の読者を和ませるために投稿したのではないかと思うほど。日本の土曜の朝が、ちょっと明るくなったような気さえする。
悩み相談は、回ごとに硬軟おりまぜるのがよいようだ。


シューマンの交響曲のオーケストレーションの評判はあまり芳しいものではないが、聴いていて特段気になったことはない。
楽器を重ねすぎる、なんてよく言われるけれど、それがマイナスになっているとは感じない。曲想が豊かだからそれを補っている、というふうでもなく、管弦楽そのものが決して悪いものじゃないように思うのだ。
見るに見かねて、なのかはわからないがマーラーなんかが手を入れた版もあるが、聴き比べるとあまり遜色がないんじゃないかなあ。
もっとも、「なになに版」とうたっていなくても、指揮者がこっそり手をいれているのかもしれないが。
アンセルメによるこの演奏もしかり。ここにはじゅうぶんにオーケストラの楽しみがつまっている。
2楽章においてのホルンやオーボエの響きには、軽やかななかにほんのりコクがある。終楽章の弦楽器は朴訥ながらもつややかな光沢を放つ。そして、全曲にわたって展開される几帳面なバランス感覚。明快な響きのなかから、シューマンの詩情が漂う。
ラストのティンパニの扱いが面白い。ソロの部分でトリルをいれている。
この曲の数多くの録音のなかで、これはかなり優れた演奏じゃないかと思う。


1965年4月、ジュネーブ、ビクトリア・ホールでの録音。

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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます

世の中、不倫、不倫と騒がれていますが、それほど不倫って行われているのでしょうか?その辺りが私には分かりかねるんですよ。「かわいい奥さん」が復讐してやりたい気持ちは痛いほど分かりますが〜、爆〜。

アンセルメのシューマン、2番はしっかりと聴いていなかったので、聴きながらです。シューマンとは思えない色彩感を感じますね〜。こんなに疲れない演奏は初めてです〜、爆〜。
良い演奏ですよね〜
ミ(`w´彡)
2010.04.11 Sun 09:52 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

不倫という言葉はいつできたのでしょうね。昔はきかなかったような気がします。浮気とはよく言っていましたけど。
おにぎりに塩、なんだかほのぼのしますね。というか、もしかしてノロケているのじゃないかと。

エロクアンスですねえ。アンセルメのシューマン、期待していましたが、裏切りませんね。
1番は録音がいまひとつなのでよくわかりませんでしたが、2番は文句ナシです。この曲を好きでいろいろ聴いているのですが、シノーポリ/VPOに匹敵する演奏ではないかと思います。
2010.04.11 21:45
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